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LGBTのアスリートたちが“戦ってきたこと”とは 「ネガティブなコメントも力に」「スーパースターがうんざりするのを覚悟の上で…」
posted2021/04/04 17:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Getty Images
<名言1>
自分の事を嫌いな人からのネガティブなコメントも力になる。それがなかったら今の自分はない。
(アダム・リッポン/NumberWeb 2018年2月25日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/830010
◇解説◇
近年、アメリカをはじめとした世界各国で、政治的主張や自らの信念をハッキリと示すアスリートが増えている。特にその傾向が強まったのがドナルド・トランプ前大統領時代だったが、2018年平昌五輪の前後で歯に衣着せぬ発言を繰り広げていたのが元フィギュアスケーターで、同性愛を公表しているリッポンもその1人だった。
舌戦の相手となったのは、マイク・ペンス前副大統領である。過去には同性愛者を“矯正治療”する団体に出資したと噂されるペンス氏だが、大会前にアメリカ代表の激励に訪れる予定だった。
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しかしリッポンは現地紙の取材に対して「僕たちを病気とみなして『矯正』させようとする奴なんかに会いたくない。試合後なら考えてもいいけど」と拒否。それを聞きつけたペンス氏はサイド面会を申し出たものの、リッポンの答えは「ノー」。そしてリッポンはSNS上で同じく同性愛を公表しているスキー選手とともに写真に収まり「ペンス、悔しいだろう」と挑発的なコメントを掲載した。
この行動は、ファンからは“勇気ある行動”と喝采を受ける一方で、トランプ政権支持者とみられるアカウントからは、誹謗中傷コメントが送り付けられたという。
ただリッポンは冒頭の言葉のように批判もどこ吹く風とばかり、フィギュアスケート団体戦で銅メダル、個人戦で10位に入るなど大舞台で自らを表現しきった。