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東京五輪優勝候補に「惜敗→快勝」何が違った? 中西哲生に聞く「三笘が苦戦し、田中碧が力を発揮できた理由」
posted2021/03/30 17:01
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
U-24日本代表がリベンジを果たした。3月29日に行なわれたU-24アルゼンチン代表戦で、3対0の勝利をつかんだのである。
試合内容も悪くなかった。プレーの強度が高いアルゼンチンに気後れすることなく、局面で戦いながらコンビネーションを発揮することができていた。0対1で敗れた26日の第1戦を反省材料として、第2戦に生かすことができていたのだ。
久保建英のプレー解説でお馴染みの中西哲生氏に、2試合を総括してもらおう。東京五輪の優勝候補にあげられるアルゼンチンとの連戦は、チームと個人の現在地を浮かび上がらせた。
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三笘、旗手……国内勢が苦戦した「第1戦目」
26日の第1戦が0対1という結果に終わったのは、ある意味で論理的なものだったと感じます。
アルゼンチンは守備の局面でのプレー強度が高く、タイトかつハードで、ボールホルダーがちょっとでもスキを見せればボールを刈り取ろうとします。ヨーロッパでプレーしている選手は日頃から体験済みのものですが、Jリーグでプレーしている選手には非日常です。日本人同士のマッチアップでは想定しなくていいタイミングで、アングルで、アルゼンチンの選手たちはボールを奪いにきた。そうしたものに対する戸惑いが、第1戦の結果に影響を及ぼしたと考えます。
分かりやすいのは三笘薫でしょう。彼自身のパフォーマンスが低調だったとは思いません。見せ場は確かにありました。ただ、アルゼンチンの間合いとタイミングを把握するまでには、相応の時間を必要とした印象です。相手の守備のしかたを考えると、狭いスペースにこだわり過ぎたのかもしれません。これについては、同サイドのサイドバックでプレーした旗手怜央にも言えることでした。
負けた1戦目から改善できたのは「間(ま)」
第1戦のアルゼンチンに話を戻すと、攻撃にも触れるべきものがありました。奪ったボールを素早く敵陣へ運ぶ狙いが徹底されており、日本の守備陣形が整っていないうちにゴールへ迫ってきました。