武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲BACK NUMBER
“ご意見番”武蔵丸「照ノ富士おめでとう。でも“大関の相撲”だとは、まだ言えないな」「鶴竜は親方1年生、頑張れ」
posted2021/03/30 17:00
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph by
KYODO
照ノ富士が優勝し、大関復帰を決めたね。おめでとう。貴景勝、朝乃山、正代と3大関を破ってるんだけど、僕に言わせれば逆に大関陣がだらしないってこと。序二段から上がって来て苦労を重ねていた照ノ富士を相手に、もう気持ちの面で負けちゃってるんだよな。特に朝乃山と正代は気迫が感じられない。朝乃山は照ノ富士との対戦成績が5連敗だものなぁ。今場所は立ち合いに両手突きで行ったけど、照ノ富士みたいな大きい相手には、ぶつかり稽古のように当たって行かないと、そりゃ動かないよ。これは基本中の基本なんだけど、まず、右を差したいなら、右足を踏ん張って右肩から当たって差す。もし差せなくても、そこで下手を取れるのね。左上手を取りたければ、まず左肩で当たってから取りに行けば、上手はより取りやすくなる。肩を使わないとね。
カド番だった貴景勝は、体重を17キロ落としたというけれど、やはりここぞというところでもう一押し、押す力がなかったね。馬力がなくなっちゃった感じだな。体重は、ダイエットではなくて稽古で減らさないといけないもの。そのうち今の体重にも慣れてくるのだろうけど、千秋楽の照ノ富士戦では、肘も浮いてしまっていた。照ノ富士はそこを逃さなかったね。
高安は気が弱いんだろうなぁ
僕からすれば、照ノ富士は”大関の相撲”だとは、まだ言えない。相対的なもので、今の大関陣やほかの三役が不甲斐ないだけなんだよ。特に残念なのは、小結まで戻ってきた高安。