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松井大輔39歳が語る“同世代の引退”と“年齢という敵”「カズさんがいなければ、とっくに引退している」

posted2021/03/28 11:03

 
松井大輔39歳が語る“同世代の引退”と“年齢という敵”「カズさんがいなければ、とっくに引退している」<Number Web> photograph by Getty Images

松井大輔が慕う三浦知良との2ショット

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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 プロアスリートならば、どんな選手にも訪れるのが引退という現実だ。曽ヶ端準、中村憲剛、佐藤寿人、前田遼一……2020年シーズンをもって現役を引退する選手たちのニュースのなかで、佐藤や前田と同じ歳の松井大輔のベトナム・サイゴンFCへの移籍が報じられた。

 松井も5月になれば40歳になる。同世代の引退をどんなふうに受け止めているのか。ベトナムにいる彼に“引退”について話を聞いた(全2回の2回目/#1から続く)。

 ◆◆◆

松井が思う「引退を決断する瞬間」とは?

「『40歳で引退する』と決めた(中村)憲剛さんは、キレイな終わり方だなって思う。でも、僕はきっとそんなふうにキレイには終われないかな(笑)。憲剛さんの状況はわからないけれど、潔く自分で決めて辞められる人もいる。逆に納得できずに続けようともがく人がいても、それは人それぞれの価値観。長く続けることだけが素晴らしいとも言えない。ただ、求められないと続けられないのがこの仕事だからね」

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 2020年シーズン、松井は3試合にしか出場していない。求められていることに応えられないという想いが引退につながったと前田遼一は語っていた。松井も、もしサイゴンFCからのオファーがなければ、引退を選択する可能性があったのだろうか。

「もちろん、プロとして求められていることに応えられていなければ、仕事はなくなるだろうけれど、それをどう受け止めるのかは、選手それぞれで違うと思う。去年は怪我も多く、かつコロナの影響で試合のスケジュールも変則的だったから、コンディション調整で苦労している選手は僕だけじゃなかったし。幸い、横浜FCとの契約は2021年もあったから、今年(2020年)は、出場できなくてもしっかり身体を作って、2021年シーズンを見せられたらいいなと思っていた」

 それでも迷いがあった。

ベトナム行きを決めたのは「チャンスを掴みたい」

「一度、下平(隆宏)監督の横でコーチをやってみないかという話もいただいた。そういう評価をもらえたことはうれしかったし、監督のサッカーも面白いと感じていたから、若手を教えるのも悪くないなという気持ちもあって、すごく迷った。でも『やれるならやったほうがいい』とカズさんがいってくれて、その後ベトナムからのオファーが届いた。日本以外の場所を見られるという魅力は誰も経験したことがないものだし、ヨーロッパ以外の場所でサッカーを教えたりもできる。これは選ばれた人にしかできないことだから、そのチャンスを掴みたいと思った」

 日本から始まり、欧州でも数カ国でプレーした経験もある。国々を回る松井にとって、サッカーは自己表現であり、コミュニケーションのツールであり、そして彼自身の武器だ。プロサッカー選手だからできることがあり、そこに居場所があるのかもしれない。

【次ページ】 三浦知良と中村俊輔「54歳だとか42歳だとか思っていない」

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