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「恋人や移籍ゴシップより面白いはずだ」オシム元日本代表監督が語った“サッカーメディアへの期待”「深く語る必要が…そういうわけで、ありがとう」
posted2026/08/09 06:01
イビチャ・オシム元日本代表監督の言葉は、SNSやネットメディア全盛となった現代にも普遍性を持つ
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Takuya Sugiyama
移籍や恋人ばかりを追いかけずに
(※編集註:本記事は2011年3月21日配信の第1回をベースにしています)
オシム:サッカーは今やチェスのようになろうとしている。チェスではテンポを失うとゲームも失う。相手に追いつくことができない。一手でも間違えると回復は不可能だ。サッカーも愚かなミスから失点すると、残りの試合のすべてをそのカバーに費やさねばならず、さらに失点を重ねてしまう。最悪のパターンだ。だからこそ、君らのマガジンもその方向で仕事を進めて行くべきだ。
移籍や選手のゴシップなど、興味本位の記事ばかりを書くのではなく、教育的な面も十分に配慮する。選手がどんな車に乗って、誰を恋人にしたかばかりを追いかけずに、より高い所に目標を定めたほうがいい。深い分析と考察とを目指すべきだ。そうすれば読者もまた、さらなる興味を掻きたてられる。
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特にヨーロッパの専門家の説明は、有効であるかもしれない。監督であれ誰であれ、ふたつのチームの間のエキスパートが細かな違い、微妙な差異を説明する。その小さな差が試合の勝敗を分ける。誰がゴールを決めたかだけが重要ではなく、誰のミスでこのゴールが生まれたのか、どんな背景があって生まれたのかを知ることが同じように重要だ。
君らがこれから作っていくマガジンの、それが目的であると私は思っている。
サッカー大国には優れたメディアがある
――しかしこのメルマガは、まさにあなたのメルマガであるわけです。
オシム:だから私たちはこうして頻繁に話し合っているのではないか。われわれは決して同じ基準で試合を見てはいない。それぞれが自分の見方で試合を見ている。そこには違いがあるわけで、もし誰もが同じ見方をしていたら、面白いことなど何もない。その違い――サッカーの見方や考え方の違い、サッカーに対するイメージの違いこそがとても興味深い。説明にしてもそうで、それぞれが違う。だからこそもう少し努力をする必要があるし、もう少しサッカーに献身するべきだと思う。

