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松井大輔39歳が語る“同世代の引退”と“年齢という敵”「カズさんがいなければ、とっくに引退している」 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byGetty Images

posted2021/03/28 11:03

松井大輔39歳が語る“同世代の引退”と“年齢という敵”「カズさんがいなければ、とっくに引退している」<Number Web> photograph by Getty Images

松井大輔が慕う三浦知良との2ショット

「2017年ポーランドへ行ったあともスウェーデンなどにも行ってみたいと思っていたし、もっといろんな国をまわってプレーしたいという気持ちも実はあったから。アジアもその1つ。日本もアジアだけど、タイや中国、韓国と国が変われば文化も違うし、人も変わるし、サッカーも変わる。そういうものをまだまだ体験したいなと」

三浦知良と中村俊輔「54歳だとか42歳だとか思っていない」

 しかし、現役選手には年齢という壁が存在しているのも事実。有限なのだ。

「年齢のことを言われるのはしょうがない。それは戦っていかなくちゃいけない敵のひとつでもある。だけど、自分は年齢という数字に対して、少し麻痺している方じゃないかな」

 そういって、松井が名前を挙げたのは、横浜FCでチームメイトだった三浦知良と中村俊輔だった。

「僕を含めて3人は、年齢に関しての意識は低い。周りから見れば麻痺しているって思われるんじゃないかな(笑)。54歳だとか42歳だとか思っていないし、相手の選手が18歳だからどうだというふうには思わない。ひとりのサッカー選手として、どちらがうまいか。グランドに立てば、年齢は関係ないから。たまにふと『カズさんは50歳なのかぁ』と思い出すくらいで」

「カズさんとの出会いがなければ、とっくに現役引退している」

 2000年、高卒ルーキーとして加入した京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)でチームメイトになったのが三浦だった。当時の松井からもよく三浦の話を聞いた。しかし、翌年三浦は神戸へ移籍。それでも自主トレをともに行うなど交流は続き、再び2人がチームメイトになったのは2018年。松井は36歳、三浦は50歳だった。

「プロとしての最初のシーズンにカズさんから受けた影響はたくさんあったけど、自分が30代になって再会してからもまたイチから学ばせてもらいました。カズさんのなかでは、俺は18歳のままだから(笑)。永遠の18歳。僕はずっと1年目、一番下だったと思うよ。ほかの若手よりも若手みたいな扱いだから。本当の18歳がいるのに(笑)」

 とはいえ、三浦を見る松井の眼は、18歳のままではない。10代では見えなかったもの、30代だから吸収したい部分があった。

【次ページ】 W杯が終わった後は「『もういいかな』って」

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