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【センバツ秘話】巨人・岡本和真は智弁学園3年時からモノが違った… 2本塁打の合間に見せた“優しいミート”とは
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2021/03/21 17:03
22歳ながら巨人の主砲へと成長した岡本和真。その打撃力は智弁学園時代から煌めいていた。
やれるかもしれないな……という予感の打席
左腕相手にしつこく、しつこく、6本、7本と右方向へファールが続く。当てにいったファールは1つもない。ひと振りひと振り、腰の据わったフルスイングだったから、投手がどんどん苦しくなった。
結果、ライトフェンスまであと1メートルほどのハーフライナーに終わったが、4番岡本和真は最後までインサイドアウトにこだわり続けた。
やれるかもしれないな……そんな予感が湧いてきたのは、この時だ。
あまり決めつけた言い方はしたくないが、人の上を行く人というのは、自分の姿を“端”から見られる人なのかもしれない。
今季、東京ドームで目の当たりにした岡本和真のホームラン。
ドームの天井に吸い込まれるように、高さをとったまま、なかなか落ちてこなかった。
夜空をバックに見たかったなぁ……と思った。
漆黒の夜空が似合いそうな、雄大な白球のアーチ。
セ・リーグにも、久しぶりに“本物”のホームランバッターが生まれようとしている。