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ベルトの価値は王者が決める…「初代」IWGP世界ヘビー級王者・飯伏幸太の重大な任務とは【新日本49年目の試練】

posted2021/03/07 11:04

 
ベルトの価値は王者が決める…「初代」IWGP世界ヘビー級王者・飯伏幸太の重大な任務とは【新日本49年目の試練】<Number Web> photograph by Essei Hara

IWGP世界ヘビー級王座に就いた飯伏幸太は新日本プロレスが迎えている試練を乗り越えることができるだろうか

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原悦生

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 日本武道館で3026人という観客数は新型コロナウィルスの緊急事態宣言下でも寂しい気はする。3月4日の新日本プロレスの入場者数だ。前日の女子プロレス・スターダムの3318人に約300人足りない。

 こうした非常事態にあってイベント会場に足を運ばないことが求められている状況を考えれば、それは喜ばしいことだ。だがそれが習慣化されると興行会社は困る。ずっと会場で見続けていた人が1年も通わなくなると、それが習慣になってしまう。会場に行かなくても試合は動画で見ることができるから、今回は見送るという選択がなされる。そして、それが繰り返されると会場には行かないことが当たり前の行動になる。

「旗揚げ記念日」を終えて49年目を迎えた新日本プロレスは48年目以上の試練に直面している。だが旗揚げの頃の地方の体育館のガラガラな風景を知っていたら3000人という観客数も大きな数字だ。

 しばらくして「ワールドプロレスリング」のテレビ中継が始まってアントニオ猪木とタイガー・ジェット・シンが日本武道館で戦っても、8000人を入れるのがやっとだった。格好がつかないので2階席の上段に幕を張り巡らしたこともあった。

「見たくないやつは見るな」と猪木は強気に叫んだが、「見たくないやつはもともと来ないんだけれど」と当時を振り返る。

「世界」の王者になった飯伏幸太の任務は重大

 IWGPに「世界」をつけるとかが話題になっているけれど、IWGPの「I」はインターナショナルなわけだから、ワールドをかぶせても言葉がダブるだけで大差はない。

 猪木は「まだ、IWGPやっているのか」と笑うけれども、IWGPというブランドはアメリカでも認知されていて、経済紙Forbesのウェブサイトにもそのまま登場する。

 新しいタイトルが生まれるたびに、昔から繰り返されてきた言葉がある。ベルトの価値は王者が決める、と。

 3月4日にエル・デスペラードを破って、初代のIWGP世界ヘビー級王者に認定された飯伏幸太は重大な任務を引き受けたことになる。「世界」がなかった方がよかった、と言われないように。

【次ページ】 飯伏幸太を待つスタジアム・プロレス

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