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「評価を変えることができたのかな」開幕投手も確実視されるツインズの顔・前田健太が目指すものとは
posted2021/03/05 17:02
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
メジャー6年目を迎えるツインズ前田健太が、2021年、球団が発行するメディアガイドの表紙を飾った。打者を仕留め、雄叫びを上げながら拳を握る姿は、名実ともに「チームの顔」として認められた証だった。
「すごく嬉しいです。こうやってこのチームのメインとして扱ってもらえるのはすごく嬉しいですし、いい写真を使ってもらえたなと思います」
ファンやメディアを含め、周囲の誰もが開幕投手の最有力候補に挙げるほど、チーム内で前田の存在感は別格の域に達した。
快投に次ぐ快投で自ら勝ち得た信頼
春季キャンプの直前にツインズへトレード移籍した昨季、前田は開幕3戦目に登板した。そのホワイトソックス戦で移籍後初勝利を挙げて以来、4連勝。8月18日のブルワーズ戦では9回無死までノーヒット・ノーランの快投を演じた。惜しくも快挙こそ逃したものの、小気味よいテンポでアウトを重ねる前田の投球スタイルは、監督ら首脳陣、チームメートからの信頼を絶対的なレベルに引き上げた。
最終的に、昨季は6勝1敗、防御率2.70。全11試合で5イニング以上を投げて3失点以内と、抜群の安定感を発揮した。シーズン終了後、記者投票によるサイ・ヤング賞争いでは、投手部門3冠のシェーン・ビーバー(インディアンス)に次ぐ2位にランクされるなど、メジャーを代表する先発投手としての地位を確立した。
この春のキャンプイン後、オープン戦が始まった時点で、開幕投手は発表されていない。その一方でロッコ・バルデリ監督は、前田に対する揺るぎない信頼感を隠そうとはしなかった。
「昨季は、球界で最高の投手の1人だった。それでも、彼は決して現状に満足しない。常に競争者であり、何かを学ぼうとしている」
その言葉通り、前田はオフ期間、体力強化に重点を置いてトレーニングを継続した。
「自分の年齢に負けないようにトレーニングをしてきました。自分自身、衰えとか年齢を感じることはないですし、いい方向に向かっていると思います」