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“ラッキーな最下位”湘南は『自動降格枠の拡大』で生き残れるのか?――それでも「目指すのはJ1残留ではない」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/02/27 06:04
昨年はJ1で最下位に終わった湘南ベルマーレ。本来ならJ2降格となるが、新型コロナウイルス感染拡大による大会方式の変更で、今シーズンもJ1で戦う
4チームが降格するレギュレーションについては、悲観も楽観もしていない。落ち着いた口調で、石原直樹は答える。
「降格するチーム数は増えているので、厳しいシーズンになるとは思います。ただ、チーム数も18から20に増えていて、17位から自動降格するのはいつも同じです。僕自身の考えとしてはいつもと変わらず、ひとつでも上を目ざしてやっていきます」
同じ苗字の経験者の言葉に、22歳の石原広教も頷く。
「目指すのはJ1残留ではなく、ひとつでも上の順位です。監督を信じて、チームがまとまれば、結果はついてくると思う。自分たちの力を信じて、シーズンに臨んでいきます」
「J1の戦いというものが良く分かりました」
19年10月に就任した浮嶋監督にとって、開幕から陣頭指揮を執るのは昨シーズンが初めてだった。コロナ禍も含めて苦しい時間を過ごしたが、手応えもつかんでいる。
「途中からではなくフルシーズンやって、J1の戦いというものがよく分かりました」
昨シーズン最下位だったチームに、周囲はシビアな評価を下している。だが、当事者たる浮嶋監督と選手たちは、緊張感と危機感を抱きつつも、自分たちに期待している。内に秘めた反骨心を、2月27日の開幕戦からぶつけていくのだ。