2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
<M-1ウラ話>「松本さん、パチンコやっててよ」悔しむ錦鯉を叱った同じ事務所の芸人とは? “なんであのネタやったんだ!”
posted2021/02/28 11:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
「あれは漫才じゃない」――2020年のM-1はなぜあれほどの賛否を呼んだのか? 出場した漫才師たちのインタビューから、その答えに迫っていく。
49歳の長谷川雅紀(まさのりさん)と42歳の渡辺隆、M-1最年長ファイナリストになった錦鯉。しかし結果は4位。悔しむ2人を叱った同じSMAの芸人とは――。(全3回の3回目/#1、#2へ)
49歳の長谷川雅紀(まさのりさん)と42歳の渡辺隆、M-1最年長ファイナリストになった錦鯉。しかし結果は4位。悔しむ2人を叱った同じSMAの芸人とは――。(全3回の3回目/#1、#2へ)
――お2人とも決勝のせり上がりでも、さほど緊張しなかったとおっしゃっていました。ネタが始まってからはいかがでしたか。
長谷川 自分の感覚では、そこまで緊張していないと思ってたんですけど、いざ、ネタが始まったら、口の中がカラッカラに乾いてました。あそこまでになるのは初めてでしたね。ただでさえ、奥歯が8本ないので、もう、滑舌が悪くて。最初の「レーズンパン」のセリフが聞き取れなかったと言われましたが、そのせいもあったと思います。
渡辺 僕も聞き取れなかったですから。一発目のレーズンパンは。
長谷川 うわっはっはっはっはっは。いちばん近くにいた人間が。
――渡辺さんは右側に立っているので、左サイドに陣取っている審査員たちがどうしても目に入ります。それが嫌だという方が多いですが。
渡辺 (視界に)入ってたんですけど、入ってないと思い込んでやってました。
――それも難しそうですね。
渡辺 ああいうセットなんだぐらいに言い聞かせていたので。
「松本さん、パチンコやっててくれよ、って…」
――2人のネタは、準々決勝、準決勝でも披露した長谷川さんがパチンコ台に扮するものです。ネタをやり終えたときは、どんな気分でしたか。
渡辺 やり切った、と。だから、まあ、いい気分というか、清々しい気分ではあったんですけど……。
――けど?
渡辺 得点が出て。
――トータルで643点。3位の見取り図に5点及ばず4位でした。