2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「オール巨人師匠の“88点”で、またか…」マヂカルラブリーの頭をよぎった“17年上沼恵美子さんのトラウマ”
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byM-1グランプリ事務局
posted2021/02/21 11:03
2020年M-1で優勝したマヂカルラブリーの野田クリスタルと村上
村上 「フレンチ」としては、一番いいウケ方でした。レストランの扉をぶち破る最初のボケでマックスでウケて、その流れで2つ目、3つ目のボケもトントンとウケた。そこからジワリと下がって、最後、少しだけクイッと上がる。理想通りでしたね。
――最後、野田さんがなぜか腰に手を当てて、「デモン?」ってやるじゃないですか。あそこで、お客さんがあきれ返って笑うんですよね。あまりにも意味がなさ過ぎて。
村上 「なんだ、このボケ?」って。「終わり」って言いたいだけですから。
野田 あれ、本当に意味ないです。「終わり」って言っとけよ、っていう。
巨人師匠の88点で「またか…」
――得点を待っているときの心境は、いかがでしたか。
村上 2017年はとにかくウケなかった。なので今回は、あれだけウケてすがすがしかったです。何点とかはあんまり気にしてなかったですね。
野田 正直、点数はわからなかった。土下座は点数にカウントされないだろうし、もともと、尻すぼみしてしまうネタなので、そこを突かれたら低く出るかもという不安もありました。そうしたら、いきなり一発目(オール巨人)が88点だったので、ああ、そっちに出たか、と。
村上 一瞬、「またか」って思いましたね。上沼さんとの因縁の次は、巨人師匠かと。パート2が始まるのかと思いました。
――ただ、80点台は最初だけで、2人目からは軒並み90点台が続きました。合計得点は649点。おいでやすこがに次ぐ2位に食い込みました。
野田 松本さんの93点は嬉しかったですね。そして、因縁と言われた上沼さんは94点。1個の物語が終わった瞬間でした。
――上沼さん自身、3年前に2人を酷評したことは忘れてしまっていたようですが……。
村上 本当に覚えてないんでしょうね。
野田 よく考えたら、そんなものですよね。殴られた方はいつまでも覚えてるけど、殴った方は覚えてないってよく言うじゃないですか。しかも大御所中の大御所ですよ。そら、覚えてないでしょう。
――でも、上沼さんから高評価を得たときは、2人とも本当に安堵の表情を浮かべていました。
野田 ようやく2017の呪いが解けました。
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