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「オール巨人師匠の“88点”で、またか…」マヂカルラブリーの頭をよぎった“17年上沼恵美子さんのトラウマ”

posted2021/02/21 11:03

 
「オール巨人師匠の“88点”で、またか…」マヂカルラブリーの頭をよぎった“17年上沼恵美子さんのトラウマ”<Number Web> photograph by M-1グランプリ事務局

2020年M-1で優勝したマヂカルラブリーの野田クリスタルと村上

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中村計

中村計Kei Nakamura

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M-1グランプリ事務局

「あれは漫才じゃない」――2020年のM-1はなぜあれほどの賛否を呼んだのか? 出場した漫才師たちのインタビューから、その答えに迫っていく。
「ボケの野田クリスタルはほとんどしゃべらない」という“正統派ではない”スタイルで優勝したマヂカルラブリー。2人が語るせり上がりでの「土下座ポーズ」から“2017年の呪い”が解けるまで。(全3回の2回目/#1#3へ)

――笑神籤6番目で、いよいよ出番が巡ってきました。今回は感染対策の一環で、控え室は舞台裏ではなく、少し離れたところにあったんですよね。だから、スタジオまでの長い廊下を歩くシーンも映されていました。すごく落ち着いて見えました。

村上 そのときはもう「フレンチ」とネタが決まっていましたから。その安堵感ですね。

野田 決勝進出が決まってからというもの、ずっと怖くて、その状態は決勝当日、自分たちの出番の前にCMが入るまではずっと続いていた。でも、もう怖くなくなった。

たどり着いた「土下座」ポーズ

――野田さんは2017年初の決勝で、せり上がりの台上で、ちょっとしたポーズをとっていました。今大会ももともと何かやろうと思っていたのですか。

野田 やらざるを得ないとは思っていました。いろんなこと考えていたんですよ。鎧を着て行って、せり上がりのところから少しずつ外していって、マイクの前で全部外し切るとか。でも、あんまりやり過ぎると得点に響くかなと思ったりして。

――そして、たどり着いたのが「土下座」だったわけですね。

野田 まあ、土下座がいちばんよかったですよね。今考えても、あれ以上のものはなかった。2017年に、やらかしてしまったときの物語とつながっているので。あのときは、ごめんなさい、みたいな。

村上 M-1史上、最速のボケになった。

――あれは1つの発明ですよね。今後、あそこで何かやろうという人が増えるのではないでしょうか。

野田 これまでは、笑い飯がダッシュで駆け下りてくるとか、東京ダイナマイトが刀を持ってきたり、しゃべりながら出てくるみたいのがあった。

村上 「登場ボケ」ね。

野田 そう、「登場ボケ」シリーズ。でも「せり上がりボケ」をやったのは、たぶん、うちらだけなんじゃないのかな。

顔を上げた瞬間「あ、勝った」

――史上最速のボケは功を奏しましたか。

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