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センバツで見逃せない「5人のドラフト目玉候補」は? イチオシは“和歌山の怪腕”&東京の“独特サイドハンド”も
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph bySankei Shimbun
posted2021/01/30 11:05
センバツに出場が決まった東海大菅生高の本田峻也投手。ドラフト候補としても注目したい
(4)「4試合41奪三振の左腕」木村大成投手(北海)
ここからは左腕投手を2人。オーソドックスなオーバーハンドが1人と、独特なフォームのサイドハンドが1人だ。
昨秋の北海道大会、北海の左腕・木村大成(180cm76kg・左投左打)のピッチングに驚いた。
右打者の足元に、プレート一塁側から食い込むような角度のクロスファイアーがきまり、左打者の胸元をシュート回転の速球がえぐる。タテに落下するカーブがあって、鋭くタテに落ちるスライダーもあって、どれもしなやかさと強さを兼備した腕の振りから繰り出されるので、打者はまるで見極めがつかない。
道大会4試合で30イニング3分の2、打たれたのは14安打なのに奪三振は41に上った。新チームの秋の大会に、1人だけ「3年生」が混じっているよう……モノが違うと思った。
北海道からこれだけの左腕が現れたのは、果たして誰以来だろうか。
昨秋のドラフト5位で日本ハムに進んだ根本悠楓(苫小牧中央)も、ヒジの使い方の上手ないい投手だったが、先の楽しみなら「北海の木村」が一枚上だろう。
北海道の選手だけに、時期的に彼がその本領を発揮するのはセンバツ以降になるだろうが、その片鱗だけでも、このセンバツのマウンドでキラリとさせてくれるはず……そう期待している。