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松井裕樹「田中さんは超一流なのに、教えるのもうまい」 チーム田中将大+岸、涌井、早川…楽天は常勝軍団になれるか? 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2021/01/30 11:03

松井裕樹「田中さんは超一流なのに、教えるのもうまい」 チーム田中将大+岸、涌井、早川…楽天は常勝軍団になれるか?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2016年自主トレを行う「チーム田中」。田中将大(中央)、則本昂大(左)、松井裕樹。楽天koboスタジアム宮城の室内練習場で

 同じく自主トレをともにする松井は、この年、投球フォームの改善に着手していた。

「田中さんには、間近でフォームを見てもらっていろんなアドバイスをいただいたんですけど、本当に教えるのがうまい。的確なんです。超一流のピッチャーなのに、僕ら以上に突き詰めてやられていますし、見習わないといけない部分がたくさんありました」

 新たな形を手に入れた松井は、守護神としてキャリアハイの38セーブを記録。初のタイトルを獲得した。もちろん、自身の探求心がもたらした成果ではあるが、田中の助力が背中を押したのも確かだ。

 則本に松井。他の「チーム田中」のメンバーである辛島航や釜田佳直、18年から2年間、参加した藤平尚真も、それぞれ田中の遺伝子を受け継いでいる。そして、則本が今年から自主トレを主宰したように、現在の楽天投手陣にも還元されている。

「チーム田中」+岸、涌井、早川…

 7年の時を経て、偉大なるエースは逞しさを増して帰ってきた。東日本大震災から10年。節目に訪れた吉報を「運命」と表現するなど、喜びの声が日本中に拡散された。

 田中と遺伝子を受け継ぎし者たち。岸孝之、涌井秀章と熟練の右腕も健在で、ゴールデンルーキーの早川隆久にも期待が寄せられる。楽天投手陣はより強固となった。

 覇権を握れるだけのピースは揃っている。だが、石井一久GM兼任監督が掲げる、「中長期的に勝てる、骨太なチーム」への道は始まったばかり。いうなれば、今年は序章だ。

 常勝軍団への、はじめの一歩。

 重要な物語の導入に「帰ってきた大エース」田中将大が描かれる。なんとも贅沢である。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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