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ヤンキース黒田博樹に憧れて…菅野智之がメジャー断念、巨人残留の“お金ではない”本当の理由とは 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2021/01/09 18:00

ヤンキース黒田博樹に憧れて…菅野智之がメジャー断念、巨人残留の“お金ではない”本当の理由とは<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

ポスティングでのメジャー移籍を目指した菅野だったが、結局、巨人残留が決まった。その心中やいかに

黒田の姿に憧れ「いつか自分も」

 日本ハムのドラフト指名を断って1年間の浪人生活をしていた時期に、毎日、他の野球部員が大学の授業を受けている午前中は、テレビでメジャー中継を観るのが日課だった。当時はニューヨーク・ヤンキースに移籍した黒田博樹投手の全盛期で、その姿に憧れ「いつか自分も」と夢を語るのを聞いたことがある。

 菅野にとってメジャーの舞台で投げることは、その頃からの大きな夢である。だからこそポスティングに踏み切ったのだが、もう1つ、目標もある。

 ただメジャーで投げることだけではなく、行くからには結果を出せる、勝てる投手になる。その目標も、菅野の夢には含まれている。だからこそ移籍するなら万全の準備をして、シーズンに望みたい。そのための環境がこのコロナ禍では整わなかった。ピッチングと同じように冷静に現実を踏まえて決断をしたということだ。

 巨人残留には「年齢的に今年が最後のチャンスだったのに」という声も聞くが、決してそんなことはないはずだ。『スポーツ報知』の報道によると、菅野は球団の提示した4年契約ではなく単年契約を結び、今シーズンオフには再びメジャー移籍の可能性を模索することになるという。

 もしそれで移籍が実現するとすれば、来年は33歳。浪人時代に東海大の野球部合宿で観ていた黒田は、あのときすでに37歳だった。それに比べたら33歳の菅野には、まだまだメジャーで大きな可能性が秘められているはずである。

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