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石川祐希が語る“伝説の東福岡戦”と“6冠達成”の要因 無観客の春高に挑む高校生へ「全力で楽しんで」 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byJun Tsukida/AFLO SPORT

posted2021/01/04 11:03

石川祐希が語る“伝説の東福岡戦”と“6冠達成”の要因 無観客の春高に挑む高校生へ「全力で楽しんで」<Number Web> photograph by Jun Tsukida/AFLO SPORT

星城高校時代は1年生の頃からレギュラーとして活躍した石川祐希。当時の経験はバレーボール人生の大きな糧となっている

「あのメンバーでなければ勝ち取れなかった」

 石川の「土台であり、原点」となった星城での3年間は、指導者やチームメイトにも恵まれた。

「監督、コーチ、選手がそれぞれ役割を全うできた6冠だったと思います。誰かの力ではなく、チーム全員で勝ち取った結果。あのメンバーでなければ勝ち取れなかった、そう思っています。(スタメンで出ていたメンバーは)、今はVリーグでプレーしている選手たちがほとんど(武智、神谷、川口、山崎貴矢/堺ブレイザーズ、中根聡太/現・星城高校教諭)。それだけ力を持っていた選手たちばかりだったんだなと改めて感じていますし。もちろん彼ら以外もそうですが、最高の仲間たちと一緒にプレーできたことは僕にとって誇りです」

 チームを指揮する竹内監督は必要以上に口を挟まず、ミーティングも選手たちで行い意見を交わした。「自らが考えるシチュエーションや経験を多くさせてもらった」経験は、高校時代はもちろん、その後のバレーボール人生の大きな糧になっている。

全力で春高を楽しんでほしい

 高校を卒業してはや7年。今年もまた春高バレーの季節がやってきた。今年度はコロナ禍のため無観客で開催されるが、これまで多くの声援に支えられながら活躍し、成長を続けてきた石川だからこそ高校生プレーヤーたちの思いが痛いほど理解できる。彼らの気持ちをこう慮った。

「今季はイタリアもほぼ無観客での試合となっていますが、やはり観客がいるのといないとでは試合の盛り上がりもそうですし、選手のモチベーションという面でも違いますね。とくにプロアスリートにとっては、観客の前でプレーすることがいかに大切なのかをあらためて痛感しているところです。

 高校生の時は両親や身近な方々、お世話になった方々の前で“恩返しを”と思いプレーしていました。そしてユニフォームを着られなかった仲間のためにもという思いも持って。

 今年度はこの春高バレーが3年生にとって最初で最後の全国大会です。自分たちが持っているものすべてをぶつけてほしいですし、その思いがきっと結果にもつながってくるはずです。会場に来られない人たちの思いも背負ってコートに立つと思いますが、高校生のみなさんのプレーで元気を与えられる人もいるでしょうし、応援したいという気持ちにもなると思います。何よりも仲間たちとバレーボールを、そして春高を全力で楽しんでもらいたいです」

新たな気持ちで迎える2021年

 そう熱く語る石川もまた新たな気持ちで2021年に挑もうとしている。

「新型コロナウイルス感染症から回復して、自分のパフォーマンスが出せるコンディションに戻すことが、今、まずは自分がやるべきことだと思っています。プレーオフ出場に向けてやらなければならないこと、絶対に勝たなければいけない試合はありますが、今は先のことを見据えてというよりも、目の前の1試合、1点1点を積み重ねていくこと、そして、今この時間を精いっぱい過ごすことが大事だと考えています。ここから試合が続きますしフィジカル面もハードになるので、本当に怪我だけには気をつけたいですね。もちろん健康にも。しっかりトレーニングを積んで、チームの勝利に貢献していきたいと思います」

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