濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「地獄を見てきた」アイドル出身女子プロレスラー3人が挑む“ダッサい人生”逆転をかけた泥臭い勝負
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2020/12/29 11:05
3対1の状況から逆転を果たした白川未奈(中央)。リーダーの中野たむ(左)とウナギ・サヤカと共に防衛を達成した
2021年は“女子プロレスの年”に
ウナギはこのところ、生活そのものが変わったという。試合がない日もウェイトトレーニングに励み、格闘技ジムに通ってキックボクシングとブラジリアン柔術を学ぶ(白川も柔術の練習に取り組んでいる)。
「一日中、何かやってますね。何もしてない時はプロレスのことを考えてます」
試合ぶりに関して言えば、白川もウナギもまだまだ伸びしろがありそうだ。プロレスに取り組む姿勢がそう感じさせる。いや正直、ウナギのプロレス人生が“スターダムで岩谷麻優たちと闘う”ようなものになるとは予想できなかった。本人も予想していなかったそうだ。
今のスターダムは、こうした予想できないドラマが交錯する場としての魅力も大きい。旗揚げ10周年を迎える来年は、3月3日に日本武道館大会を初開催する。
もちろん“動いた”選手だけでなく生まれ育った団体を守り続ける者にもドラマがある。東京女子プロレスは来年、大田区総合体育館に初進出。後楽園ホール大会の数も激増する。アイスリボンは新星・鈴季すずがチャンピオンになり、やはり風景が新しくなった。
来年、どこで誰が闘い、どんな人生模様が展開されるのかは予想できない。ただ一つ予想できるのは、2021年は“女子プロレスの年”になるのではないかということだ。
[追記]この試合の翌週、12.26後楽園ホール大会で白川は鼻骨を骨折。しばらく欠場することとなった。年間最終戦にして誕生日のアクシデント。これもったく予測できなかったことだ。全治2カ月との診断だから、武道館には間に合うか。欠場発表後、白川はSNSで「鼻は折れても、心は折れないのが白川未奈です!!」とコメントしている。
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