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新婚ほやほや 大関貴景勝24歳に聞く「奥さんの料理で好きなものは?」「普段、家では何をしている?」
text by
飯塚さきSaki Iizuka
photograph byJiji Press
posted2020/12/29 11:04
2019年3月大関に昇進し、地元芦屋の祝賀会で、お気に入りのアワビのフリットを頬張る大関貴景勝
貴景勝 読書は好きですけど、いい本が見つかったら読むだけで、毎日読み続けることはないです。なんだかんだ相撲のことばっかり…ですかねえ。YouTubeを見ることもありますが、昔の取組とかを見ることが多いし、本当に相撲がなくなったら自分はどうなるんだろうって。楽しいとはもう思っていないけど、なくなったら何を目標としたらいいのかわからないので、やっぱり何か趣味でも見つかればいいなと思います。
――誰も大関からお相撲を奪いませんからまったく問題ないとは思いますが、あえて趣味を作りたいのであれば、読書はいいんじゃないでしょうか。私は昔から本の虫で、それこそ時間を忘れて延々と読んでいられますよ。
貴景勝 でも僕、小説は読まないんですよ。栄養学とか、自分が勉強できるような本が好きなんです。
――実用書の類ですね。ほかに、例えばゲームなんかはしないんですか。
貴景勝 まったくしないことはないです。ちょっと面白そうだなと思ったらするときもあるんですけど、でもそれもコンスタントにはしない。相撲以外は全部気まぐれで、続かないんですよ。だから、やっぱり相撲以外に没頭できることはないです。
「なぜ横綱になれないと思われているかというと……」
――でも、そんなところが大関らしくて素敵です。いろんなことをお聞きしてきましたが、最後はやはり綱取りがかかる来場所のことを伺いたいと思います。綱取りに向けて、大関がいま必要なのはどんなことでしょうか。
貴景勝 四つのような、安定感のある相撲です。突き押し相撲の力士が、なぜ横綱になれないと思われているかというと、やっぱり安定感のなさだと思うんですね。相手と離れているし、まわしを取れていないから、引きやはたきを食らいやすいのは事実です。でも、押し相撲にはリスクがあるからこそ良さもあります。豪快な突き押しは、四つ相撲では見られません。そのスタイルで最後の番付を狙うには、四つのような安定感のある突き押し相撲を目指さないといけないんです。
――以前、大関に教わった安定感を出すための極意は、腰を使った四股の踏み方と、肩関節の使い方でした。ほかには何かあるんでしょうか。
貴景勝 あとは、そういう技術的なコツよりも、全体的な基本も大事です。理論ばかり並べるよりも、ただ単純に押す力が強い、単純に出足が強いといった基本的な力が大事だなと、最近気づきました。肩関節の使い方などは、50の力を70にするためのテクニックです。シンプルに押す力が強ければ、それを100にもっていくことができます。応用も必要ですが、基本的な押しを大事にするようにしています。
――高みを目指すに当たって、基本に返ってきたわけですね。来場所はもちろん、それ以降の大関の活躍も、心から楽しみにしています。お忙しいなかありがとうございました。
貴景勝 こちらこそ、ありがとうございました。頑張ります!
(【前回を読む】“令和初の横綱”への挑戦…24歳、大関貴景勝が語る本音「『勝因は?』ってよく聞かれるんですけど…」 へ)