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【朝日杯FS】福永祐一がレッドベルオーブとコントレイルを比較すると… 武豊にとっても重要な一戦に
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2020/12/19 17:01
デイリー杯2歳ステークスを制した福永祐一騎乗のレッドベルオーブ。朝日杯FSは混戦が予想される
対抗馬はクロノジェネシスに通じる強い馬
対抗の1番手は、無敗馬の1頭であるステラヴェローチェ(牡、父バゴ、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
新馬戦とサウジアラビアロイヤルカップを勝って朝日杯というローテーションは昨年のサリオスと同じ。だが、新馬戦が稍重、サウジアラビアロイヤルカップが不良馬場で、勝ちタイムが遅かったことが評価を難しくしている。道悪に強い父バゴ譲りの適性が生かされた部分も確かにあっただろうが、同じ父バゴのノーザンファーム生産馬には今年の宝塚記念を圧勝したクロノジェネシスがいる。同馬はスピード決着となった天皇賞・秋でも、勝ったアーモンドアイとコンマ1秒差の3着と好走した。ステラヴェローチェの前走の勝ち方も、それこそクロノジェネシスの宝塚記念に通じるものを感じさせる圧勝だった。
ソダシと同じ須貝厩舎なので、ここを勝てば2016年の藤沢和雄調教師(ソウルスターリング、サトノアレス)以来史上2人目の「同一年2歳牝牡GI制覇」となる。
武豊がGIコンプリートに王手をかけられるか
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新種牡馬ドゥラメンテ産駒にも有力馬がいて、うち1頭、武豊が乗るドゥラモンド(牡、美浦・手塚貴久厩舎)が勝てば、武は朝日杯初制覇となる。そうなると、残るはホープフルステークスだけとなり、再び武はJRA・GIコンプリートに王手をかける。武はエアスピネルで臨んだ15年の朝日杯を勝てばJRA・GIコンプリートを達成できていたのだが、リオンディーズの2着に惜敗。その後、大阪杯とホープフルステークスがGIとなってまたコンプリートが遠のいたのだが、17年にキタサンブラックで大阪杯を制している。
同じドゥラメンテ産駒のジュンブルースカイ(牡、栗東・友道康夫厩舎)、クリストフ・ルメールのモントライゼ(牡、父ダイワメジャー、栗東・松永幹夫厩舎)、前走のデイリー杯2歳ステークスでレッドベルオーブと叩き合ったホウオウアマゾン(牡、父キングカメハメハ、栗東・矢作芳人厩舎)も上位争いをしそうな雰囲気がある。