組織力というところは浅いかなとも思う

――確かにここ数年の野球界はまず攻撃。エースが投げて2、3点で逃げ切るという時代ではないと思います。

「そうですね。今の野球は球場もどんどん狭くなってきているし、ボールも飛ぶと思います。いいピッチャーを立てても、それなりに点は取られますよね。なのでこっちも点を取れないと勝てない。だからとにかくGMになって急いで着手したのは、そこの攻撃力というところでした」

――その点でのチーム作りは順調に進んでいった？

「ただ点は取れている中でも、大味な得点の取り方はできるんですけど、この1点が大事だよというところではまだ、組織力というところは浅いかなとも思います」

選手マネジメントをより一層、強く

――そこは監督力であったり、采配力で補うしかないのではないですか？

「そうかもしれません。でも野村さん（野村克也元楽天監督）もおっしゃっているように、監督の力量が、チームに反映される部分はすごく大きくはない。やっぱりそこは選手の考え方、マウンドでの心構えみたいなものが大きく左右します。

　サインを出すのはベンチですが、サインを実行するのは選手。そこをしっかり実行できるようなコーチングだったり、選手マネジメントですね。そこをより一層、強くしていかないといけないかと思います。

　例えばバントをするときに、ここ一番で失敗するような選手にバントのサインを出しても効率が悪い。だったらそこでここ一番ならきちんとピンチバンターを出すのか、それともそもそもバントのサインを出さないのがいいのか。そこがベンチワークだと思います」

――そこが「常勝軍団」への成長課題ということになる？

「僕がチームを任されて2年と1カ月くらいかな。ドラフトを3回経験させてもらって、ある程度、選手たちも成長してくれているとは思います。ただやっぱりまだまだ外から来た浅村（栄斗内野手）とか（鈴木）大地（内野手）とか、投手なら涌井だったりリリーフだったら牧田だったり、その辺が柱としてやっている状況はこの2年では変わらない」

――どう生え抜きの選手を育てるかも、常勝への必要条件となりますね。

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