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マイルCSの主役、グランアレグリアは“DNAの呪い”を抜け出した? アーモンドアイを負かした名馬が再び
posted2020/11/21 17:01
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
牝牡の無敗の三冠馬誕生、現役最強馬による芝GI最多勝記録樹立、そして名牝による女王杯連覇と、この秋は競馬史に残る名レースがつづいている。
GI馬8頭が揃った今週の第37回マイルチャンピオンシップ(11月22日、阪神芝外回り1600m、3歳以上GI)も、名レースになりそうな期待をたっぷり感じさせてくれる。
京都競馬場のリニューアル工事にともない、今年のマイルチャンピオンシップは1984年の創設以来、初めて京都以外のコースで行われる。が、スタート直後にコーナーのあった改修前の阪神芝1600mならともかく、直線の長い今の阪神コースならそれほどコース替わりにとらわれる必要はないだろう。
アーモンドアイを突き放したグランアレグリアが主役
主役となるのは、今年の安田記念でアーモンドアイを突き放し、前走のスプリンターズステークスも圧勝して、マイルとスプリントの「2階級制覇」を達成したグランアレグリア(牝4歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。
早くから高い素質を感じさせ、陣営が牝馬同士の阪神ジュベナイルフィリーズではなく、牡馬相手の朝日杯フューチュリティステークスに参戦させたほど。朝日杯ではアドマイヤマーズに一気に馬体を寄せられ、威圧されるような形になって3着に敗れたが、それ以来約4カ月ぶりの実戦となった桜花賞を完勝。勝ちタイムの1分32秒7は、前年のアーモンドアイの記録をコンマ4秒も更新するレースレコードだった。
次走のNHKマイルカップでは、直線で本来の伸びを欠いたうえに、4位入線後、斜行で走行妨害したとして5着に降着。勝ったのはまたもアドマイヤマーズで、直接対決は2戦2敗となった。
ところが、この春の安田記念では馬場の真ん中から力強く伸び、アドマイヤマーズ(6着)との関係を逆転して優勝。GI2勝目をマークした。