「悪いものは悪い」サイン盗み発覚から1年で監督復帰　再チャレンジの2人は何を語った？

　これも、人間の過ちに寛容で、「セカンドチャンス」を与える米国社会ならでは、なのだろうか。

　2017年に球団創設以来初の世界一に輝いたアストロズで、昨オフ、最新の電子機器などを利用した組織的なサイン盗みが発覚したことで、球界から遠ざかっていた2人の指導者の現場復帰が決まった。

　ワールドシリーズ終了後、低迷の続くタイガースが、AJ・ヒンチが監督に就任することを正式に発表した。

　事件当時、アストロズ監督としての責任を問われたヒンチは、MLB機構から2020年シーズンの出場停止処分を受けていた。もっとも、早い時期からタイガースだけでなく、ホワイトソックスの新監督候補にも挙げられるなど、復帰は秒読みとみられていた。

「あれはとても悪いことだった」

　その一方で、就任が決まったヒンチは、あらためて当時の行為を謝罪した。

「悪いものは悪い、しかも、あれはとても悪いことだった」

　事件発覚後、ヒンチは地元メディアのインタビューに応じ、アストロズ内でサイン盗みが公然と行われていたことを関知していながら止められなかったことを認め、自らの決断力、指導力不足を悔いていた。

　就任発表後は「これはタイガースの歴史ではない」としたうえで、さらに続けた。

「私はこのことを謝りたいし、これまでも謝ってきた。再び謝るし、これからも謝り続けていくだろう」

　今季24勝36敗と地区最下位に沈んだレッドソックスは、ロン・レネキー監督の退任に伴い、今年1月に解任したアレックス・コーラ監督の復帰を発表した。

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