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「24年もかかってごめんね」元SMAP森且行が3つに分かれた5人を再び“1つ”にした日
text by
霜田明寛Akihiro Shimoda
photograph byKYODO
posted2020/11/15 11:02
11月3日に開催された「SG第52回日本選手権オートレース」で初優勝した森且行
ここで“1番”とあえて表現した理由は、彼らの曲の歌詞にかけたのではなく、森且行がSMAPを辞めるときに他のメンバーと交わしたという約束にある。
「お互いに1番になろうね」
先に果たしたのは5人のほう、と言っていいだろう。
あの日以来、6人での共演はない。森自身も「日本一になるまではしないと約束した」と語っている。それどころか、脱退以降しばらくは、“もともとSMAPは5人”だったかのように報じられた時期もあった。
脱退後、“6人”が1つになったとき
そんな6人の唯一の“共演”は、2014年の『SMAP×FNS 27時間テレビ』のフィナーレ。疲労のためか、途中で座り込む中居正広、5人中4人が40代を迎えて歌う光景に「そうか、5人がSMAPで居続けてくれること自体が奇跡なんだ」と感じていた27曲ノンストップライブの直後だった。
「あのとき、あんな無茶なことを言ったのに、暖かく受け入れて送り出してくれて、みんなに感謝しています」
お台場を歩く5人に聞こえるように読まれた森且行からの手紙。そこには、これまで語られなかった森から5人への思い、焼肉屋で盛り上がったあとに、お尻を出して写真を撮ったという6人での最後の夜の描写が書かれていた。
中居をはじめ、涙をためるメンバーもいた。こんな5人の顔は見たことがなかったからこそ、脱退から18年、ずっと5人の中に森且行が生き続けてきたことを重く感じる場面だった。言葉にしてこなかっただけで、きっと彼らは森且行を心の中に忘れずに戦い続けてきたのだろう。
今思えばあの日は、脱退後に初めて、そして解散前最後に“6人”が1つになって輝いた瞬間だったのかもしれない。
今でも少し思ってしまう。
この2年後、SMAPの“終わり”がああなってしまうのであれば、この日が『SMAP×SMAP』最終回だったほうが幸せだったのではないか、と。