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「彼は身長高くて、カッコ良くて、モテて…。僕は…」“最強の2番手”武田勝が語るダルビッシュ

posted2020/11/06 17:01

 
「彼は身長高くて、カッコ良くて、モテて…。僕は…」“最強の2番手”武田勝が語るダルビッシュ<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

今季から日本ハム一軍投手コーチを務めている武田勝。「ダルよりも僕みたいなタイプの選手が絶対多い。なので共感しながら今の選手たちに話もできる」

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 ダルビッシュになりたい、と思ったことはあるか――。

「ありますよ!」

 そう即答したのはダルビッシュが日本ハムで過ごした7年間のうち6年間、左のエースとして共にチームを支えた武田勝・現日本ハム一軍投手コーチだ。

「ダルは全部揃ってる。僕はハッタリとか、ゴマカシでやってきた男、みたいな。正直言って彼は背もあって、格好良くて、モテて、言葉にも力があって……。僕はふざけて、周囲を楽しませて、部屋で暗くなるタイプ。やりすぎたな、ふざけすぎたな、とか言いながら。ひがみですよ。6年ひがみです」

「スピードもなければ、筋肉もない僕はそこを目指せない」

 当時の日本ハムを支えた先発二枚看板であるダルビッシュと武田は、あらゆる意味で真逆だった。甲子園を沸かせ、卒業後すぐにドラフト1巡目で入団したダルビッシュに対し、武田は大学、社会人を経てドラフト4巡目、27歳でプロ入りという遅咲き。投球スタイルも150km超の速球と多彩な変化球で圧倒的な投球をするダルビッシュとは対照的に、130km台の速球とコントロールで勝負したのが武田だった。

「150km出す人は、当時もいっぱいいたじゃないですか。ダルはそれだけじゃなくて、何を投げても一級品。そんなピッチャーって、なかなかいない。そういう意味では身近な存在で、タイプは違いますけど刺激を受けた投手でしたね。スピードもなければ、背もない、筋肉もない僕はそこを目指せないんで、『逆を行こう』という考え方になりました」

 Number1014号「ダルビッシュ進化論」では、武田のほか、日本ハム時代のチームメイトである森本稀哲、坪井智哉の3人に日本でのダルビッシュ・ベストゲームを回想してもらっている。武田が語ったのは、自身が投げた次戦にもつながる、西武を相手に戦った2008年10月18日、パ・リーグCS第2ステージだ。

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