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バルサ17歳新星ペドリって何者? “憧れのイニエスタ”と同じ才能を感じた、恩師の言葉
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2020/11/02 06:00
クーマン体制で積極起用されているペドリ。アンス・ファティらとともに新生バルサの象徴となれるか
イニエスタを鑑とし、憧れてきた
するとA・マドリーやR・マドリーのスカウトに目を付けられ、後者で1週間に亘る入団テストを受けたが大雪のせいでテストは不完全に終り、結果は不合格だった。
島に戻ったペドリは次にデポルティーボから声をかけられた。が、育成方針に惹かれて隣島のラスパルマスを選び、2018年7月にチームの一員となった。
全国的に名を知られるクラブでは、さすがに年相応のユースチームに入れられた。
ところが、翌19年7月に解約金3000万ユーロ(約37億円)で5シーズンのプロ契約を結び、トップチーム入り。ペペ・メル監督の目に留まったことがきっかけだった。
「天性のタレントだ。試合を楽しませてやれば、どんどん成長するだろう。スターの中に置いたらさらに成長する。まだまだ伸びるのは間違いない」
去る10月21日、ラジオ番組に出演したメルのペドリ評である。イニエスタを鑑とし、憧れてきたペドリに、メルは当のイニエスタと同じモノを感じたという。
マドリーの重鎮にも才能を直接説いた
時間を戻して、ペドリが初めて経験するトップチームのプレシーズンを満喫していた頃、ラスパルマスは財政問題で頭を悩ませていた。
そこで、ベティスサポーターでもあるメルは、ペドリをベティスに売り込んだ。また、クラブ創立70周年を祝うイベントに出席していたR・マドリーの重鎮ブトラゲーニョにはその才能を直接説いた。
「あの子は今後10年の欧州サッカー界で一時代を築く。だから注目しろと言ってやった。彼自身と、お金が必要だったラスパルマスのためにはそうするべきだと思ったから。でも勇気ある決断を下したのはバルサだった」
昨年の8月18日、ペドリはラスパルマスで2部デビューを果たし、バルサが彼の獲得を発表したのが9月2日。しかし、契約書へのサインはプレシーズン中に済ませていたことをペドリ自身が明かしている。