ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
選挙はともかく腕前ではトランプに軍配? 歴代アメリカ大統領とゴルフの深〜い関係
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byGetty Images
posted2020/10/29 06:00
迫るアメリカ大統領選、ゴルフのハンデキャップではややトランプ氏が有利なようだ
「Make Tiger Great Again」
かつてロナルド・レーガン大統領が掲げた“Make America Great Again.”の標語は、トランプ氏によって再び広まった。同じ頃、米ゴルフ界では復活への道を歩んでいたタイガー・ウッズを応援するファンたちが”Make Tiger Great Again.”というフレーズをTシャツのデザインに用いてコースに登場。タイミングが見事にシンクロして、ウッズは2019年にマスターズで優勝、大統領自由勲章を授与されるという巡り合わせもあった。
トランプ政権は発足以降、米スポーツ界から何度か反発があった。先のBLM運動以前から、とくにNBA、NFLのプレーヤーによる人種差別への抗議の意思を込めた“場外戦”も目立った。その反面、ゴルフ界の様子は比較的落ち着いていたようでもある。
「ゴルフばかり」とオバマ氏を批判していたが
新型コロナウイルスが変えた世界にあっても、トランプ大統領のゴルフへの愛情は変わらない。5月末、大統領はバージニア州の自身のコースで約2カ月半ぶりにプレーを楽しんだ。感染拡大の勢いが増した時期とあって、批判が渦巻いた。
過去にバラク・オバマ前大統領を「ゴルフばかりしている。ときにはハワイに飛んでまで」とトランプ氏は批判していた。だが、CBSニュース・ホワイトハウス担当のベテラン記者・マーク・ノラー氏のデータによると、就任から3年半未満のあいだにオバマ氏は98ラウンドをプレーしたのに対し、トランプ氏はゴルフ場に248日いたという(CNN電子版より)。
オバマ氏は2期8年間で333ラウンドし、8.77日に1ラウンド。それに対してトランプ氏は5月までに4.92日に1回の割合でプレーしたとか。ただし、「日本の安倍晋三首相とのプレーのようにレジャーと公務を兼ねたものもある」とも明記されている。
スコットランドに新たなゴルフ場を建設
大統領選は終盤。苦戦を強いられる中、今月にはスコットランドで新たなゴルフ場建設を地元アバディーンの議会が承認したというニュースもあった。同国出身の移民である母マリー・アン・マクラウドの名前がコースに付けられるという。周辺の自然保護団体には反対意見もある。
11月にどんな結果になろうとも、あるいは再選した場合の4年後の先も、トランプ氏とゴルフ界との縁が切れることだけは考えにくい。