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バレー界のイニエスタ? 世界的名手クビアクが語ったVリーグの魅力と日本育成へのアドバイス
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYuko Tanaka
posted2020/10/27 17:01
今季でVリーグ5シーズン目となったクビアク。世界的プレーヤーが日本でプレーする意味は大きい
日本の育成年代への指導に思うこと
自らは指導者でもある父のもとで8歳からバレーボールを始め、プロとしてさまざまな経験を重ねて来た。若い世代へ向けて、クビアクの言葉に熱が帯びる。
「日本には素晴らしい指導者がたくさんいるのを知っているので、彼らを否定するつもりはありません。でも何のために練習を重ねるか、その方法を間違ってしまうと、残念ながら選手の将来にはつながらない。実際に日本では高校、大学と期待され続けながら、過度な練習でケガをして2年以上バレーボールができずにいる選手もいます。
私がバレーを始めてから10歳頃まで練習ではボールを使わず、歳を重ね、段階が進んでから厳しい練習に耐えられる体力をつけるためのトレーニングを行ってきました。今、6歳になる長女とテニスをしていても、大事なのは上手にボールを打ち続けることよりも体力をつけるために動き続けることだよ、と伝えるのと同じ。プロになって勝つことは大事ですが、それは幼い頃から重要なのではなく、勝つことばかりを重視して身体を壊してしまったら意味がない。若い選手たちは自ら情報を集めてほしいし、指導者には今だけでなく将来のためにバランスを考えて選手を指導してほしい、というのが私の願いです」
世界の頂点に立った今もなお、誰より勝利を求め、貪欲に戦う熱い姿勢を前面に打ち出す、そんな世界のスーパースターが日本のVリーグにいる。1人でも多くの若い選手たちが、自らと同じように世界へ飛び出す可能性を広げられるように、と願いながら。
バレーボールに精通した人だけでなく、あまり詳しくない人でも彼のプレーを見れば「うまい!」「何それ!」「嘘でしょ」と、きっと一度は唸るはずだ。
まずはクビアク、見てみませんか?