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斎藤佑、野茂、清宮を逃しても山田哲人、佐々木主浩、村上宗隆…ドラフト「外れ1位」こそ味わい深い
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/10/27 11:03
斎藤佑樹と塩見貴洋を外した結果、山田哲人を獲得したヤクルト。ドラフト以上に大事なのは、その後だろう
佐々木を指名した横浜大洋
横浜大洋はその後の「ハマの大魔神」を野茂の外れ1位で指名した。佐々木も横浜で大活躍したのちにMLBマリナーズで野茂同様、新人王を獲得した。奇しくも野茂と佐々木は2014年、揃って日本の野球殿堂入りを果たしている。
その他の球団も、阪神の葛西、ヤクルト西村、ロッテ小宮山と、主戦級の投手を獲得している。
気の毒だったのはダイエーだ。上宮高の元木大介を指名したが、元木は巨人しか眼中になくて入団拒否。オリックスの佐藤は、のちのパンチ佐藤。戦力的には「?」マークがつけられることもあったが、人気者にはなった。
翌1990年も小池秀郎が8球団の重複指名になった。
<1990年 小池秀郎(亜細亜大)>
ロッテ 指名権獲得→×入団拒否
広島 外れ→瀬戸輝信(法政大)
中日 外れ→小島弘務(元住友金属)
ヤクルト 外れ→岡林洋一(専修大)
阪神 外れ→湯舟敏郎(本田技研鈴鹿)
西武 外れ→長見賢司(伊丹西高)
近鉄 外れ→寺前正雄(北陽高)
日本ハム 外れ→住吉義則(プリンスホテル)
ロッテが当たりくじを引いて喜んだのも束の間、小池は入団拒否して松下電器へ。外れ1位の中では、広島の捕手として重用された瀬戸、ヤクルトの岡林、阪神の湯舟の両投手などが「残り物に福」となった。
福留を外した中日が荒木を
7球団が競合したのが1995年の福留孝介。
<1995年 福留孝介(PL学園高)>
近鉄 指名権獲得→×入団拒否
巨人 外れ→原俊介(東海大相模高)
中日 外れ→荒木雅博(熊本工業高)
ヤクルト 外れ→三木肇(上宮高)
日本ハム 外れ→中村豊(明治大)
ロッテ 外れ→澤井良輔(銚子商高)
オリックス 外れ→今村文昭(九州学院高)
この年の福留も入団拒否。当時の有望選手の中にはドラフト前から「セ・リーグ球団で」と公言する選手も多かった。パ・リーグファンだった私は、ずいぶん悲哀を感じたものだ。
外れ1位の中では荒木雅博が今年まで現役で2000本安打。福留は入団拒否して日本生命に入社したが、1998年ドラ1で中日に入団。結果的に中日は'95年のドラ1と外れドラ1を獲得。両者ともに大活躍した。