令和の野球探訪BACK NUMBER
ドラフト当確? 豊作の予感漂う「規格外の大学生10」 ホームラン量産・超快速・秋の安定感……
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2020/10/24 11:04
競合必至とみられている早稲田大・早川隆久を始め、今年は何人の大学生がプロへ進むか
「脚」で勝負できる俊足ランナー
今秋の大学生には「プロに入っても足で既に勝負できる」と評されている“超俊足”とも言うべき選手が2人もいる。中学時代の全国大会で「サニブラウンに勝った男」五十幡亮汰(中央大)と、昨冬の侍ジャパン大学代表候補合宿の50メートル走計測でトップとなり「サニブラウンに勝った男に勝った男」となった並木秀尊(獨協大)だ。
ともに足が速いからと言って内野安打狙いの打ち方をするのではなく、しっかりと振り切って外野手の間を抜ける打球も頻繁に放つ。そして五十幡はバネを生かして弾むように、並木は高速で足を回転させるように走っていき、あっという間に三塁を陥れてチャンスを作ることができる。プロでもそのスピードだけではない活躍を期待したい。
「安定感」抜群の即戦力ピッチャー
投手では上位候補と目される投手たちが秋に圧巻の投球を見せている。
東京六大学リーグで無敗のチームを牽引するのは早川隆久(早稲田大)と木澤尚文(慶應義塾大)だ。
早川は左腕から最速155キロのストレート、変化球もカットボールやツーシーム、チェンジアップをキレ・制球とも良く投げ込んでいる。今秋は4試合26回3分の2を投げて防御率0.34、3勝はともにリーグトップの成績だ。また木澤も立教大戦こそ7回6失点と本調子とはいかなかったが、150キロを超えるストレートを投じるなどスケール感は十分。ドラフト指名後に早慶戦で早川と優勝をかけて投げ合う可能性も高そうだ。
好投手が続々と生まれる首都大学リーグでは森博人(日本体育大)が19イニングを投げて自責点わずか1点と他を圧倒する成績を残して5季ぶり24回目の優勝に貢献した。150キロ前後のストレートに加え、カットボールを左打者の膝元にも投げ込む制球力も抜群で上位指名も見据えている。
東に多いドラフト1位候補
地方リーグでは日本ハムがドラフト1位指名と公言した伊藤大海(苫小牧駒澤大)がその実力を遺憾無く発揮した。コンスタントに150キロ前後のストレートを投げ込み、カットボールやスライダーなどの変化球も「これぞドラフト1位候補」というキレ。侍ジャパン大学代表にも2年連続で選出され、主に守護神として国際大会は15試合21回3分の2を投げて自責点はわずかに1点のみと結果を残しているだけにプロでの飛躍にも大いに期待したい。
北東北大学リーグでは最速150キロ右腕の大道温貴(八戸学院大)が富士大戦でリーグタイ記録となる18奪三振を記録するなど防御率0.25で最優秀防御率賞を獲得した。