酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“隠れドラフト候補”独立リーグの4投手! 東海大菅生時代も注目、大野雄大の後輩左腕とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2020/10/24 11:03
ドラフト指名を待つ石川の龍谷晃議(左)と滋賀の大村涼兼。朗報は巡ってくるだろうか
鈴木誠也が同級生だった大型左腕
石川ミリオンスターズの龍谷晃議も187cm92kgの大型左腕である。中学は軟式野球で、高校は二松学舎大付属に進んだ。同級生には広島の4番、鈴木誠也がいた。
「僕は1年で部活をやめているので、野球部としては鈴木選手の記憶はほとんどありません。3年生で同じクラスになったので話をしたことはある程度です」
獨協大には一般推薦で入学。硬式野球部に入り、ここから野球をやり直した。
「足を故障していたのですが、2年間ほど何もしていなかったので治っていました。今は監督をしておられるコーチの亀田晃広先生が、僕の状況を理解してくださって1年生の間は身体づくりに徹することができました。
2年生から先発で投げ始めましたが、春から夏にかけて球速が急に上がって自分でもびっくりしました。3年からは主戦級で投げることができました。卒業時にはプロから“育成枠でどうか”という声がかかったのですが、指名されませんでした。そこで社会人野球の熊本ゴールデンラークスで3年間プレーしました。熊本を退団後、野球をあきらめて就職するつもりでしたが、亀田先生が“もったいない”と言ってくださって、石川に入ることにしました」
「独立リーグはみんなプロに行きたいと」
また社会人と独立リーグの違いについてはこのように感じているという。
「社会人は組織で戦いますが、独立リーグはみんなプロに行きたいという気持ちで戦っています。選手のポテンシャルは高いですね」
球速は最速148km/hで、持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。今年からフォークも投げている。
「僕自身はわからないのですが、球は重たいし、球速以上に速さを感じると言われます。制球力もだいぶついたと思います。でも、今年で26歳ですから、今年が本当に最後です」
独立リーグでプレーする選手は、NPB選手と資質的にはあまり大きな差はない。しかし怪我や故障に泣いて、エリートコースを外れてしまった選手がほとんどだ。
今年は、新型コロナの影響で、各球団は獲得資金が必要な本ドラフトでの指名を抑制し、育成選手を数多く獲るのではないかと言われている。
独立リーグで地道に努力する選手たちに幸運が巡ってくることを期待したい。