息子の今の活躍は父の目にどう映る？

――息子2人の今の活躍は父の目にどう映っていますか？

典弘　当たり前だけど、成長は日々していると思う。あとは俺もそうだけど、運がいい。俺は富雄の息子だったし、二人は俺の息子で。和生は一旦、沈みかけたけど、俺の後輩であり、苦楽をともにしたジョッキー仲間の次郎（小野次郎調教師）が気にかけてくれた。春にはトーセンスーリヤで重賞も勝たせてもらったりしてね。もちろん和生が周囲の期待に応えられたから、もう一回こうしてのし上がってこられたわけだけど。ほかにも四位（洋文調教師）がジョッキーの先輩として色々とアドバイスしてくれたりして、どうにか今年は。でもまだこれから。もっと気を引き締めて頑張ってもらいたいね。

和生　今は競馬がすごく楽しいんですよね。父が言ったように色んな方々のお世話になって、学ばせてもらったことが、少しずつ結果に結びつくようにもなって。調教師さんだけでなく、馬主さんや厩舎スタッフの皆さんなど、色々な人に支えてもらって、今の横山和生があると思っています。

アドバイスは聞く。でも自分の意志も…

――武史騎手については？

武史　聞きたくねえ（笑）。

典弘　武史は今はすごくいい馬に乗せてもらっているけど、はっきり言って全然足らない。言っちゃ悪いけど、俺が（武史と同じ馬に）乗ったら、間違いなく俺の方が勝っている。だから今の成績を良しとしないで、もっと高みを目指してもらいたいな。

武史　それはおっしゃる通りです。もっと勝てたということも、イヤというほど分かってます。基本的に自分は仕掛けが早いと言われていて、その自覚もあるんですが、一方でその仕掛けが早いから勝てたレースもあると思うんです。もちろん父の意見を聞いて、自らの引き出しに加えることも大事ですが、自分の乗り方っていうのも曲げちゃいけないのかな……と。まず軸をしっかりと持って、そこに色んな意見を巻き付けていくイメージですかね。アドバイスはもちろん聞く。でも自分の意志もしっかり持っておきたいんです。

和生　うん。自分らしさというか、ひとつの武器は持っておきたいよね。父もそうですが、年長の（武）豊さんとか（柴田）善臣さんとか、（田中）勝春さんとか、みんなキャラが濃くて魅力的じゃないですか。そういうジョッキーになりたいです。

典弘　俺も二人にアドバイスめいたことは言ってしまうけど、自分のクローンを作りたいわけではないから。やっぱり自分たちのカラーを作ってもらいたいよね。

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