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会長は“大統領の甥” ビッグクラブを抑えてトルコリーグ制覇「イスタンブールBBSK」ってどこ? 

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フランク・シモン&ティモテ・クレパン

フランク・シモン&ティモテ・クレパンFrank Simon et Timothé Crépin

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photograph byDaniel Bardou/L’Équipe

posted2020/10/14 06:00

会長は“大統領の甥” ビッグクラブを抑えてトルコリーグ制覇「イスタンブールBBSK」ってどこ?<Number Web> photograph by Daniel Bardou/L’Équipe

昨季、初優勝を果たしたイスタンブール・バシャクシェヒルFK

 すでに述べた通り、クラブはベテラン選手たちに支えられている。その実情を端的に示しているのが、2006年以来の古参であるキャプテンのマムート・テクデミル(32歳)であり、2011年から在籍するボスニア人ストライカーのエディン・ビスカ(30歳)である。テクデミルは優勝を決めたカイセリスポル戦で決勝ゴールを決め、ビスカはクリベリを上回る12ゴールをあげた。ふたりはイスタンブールBBからバシャクシェヒルへと移行した時期も、また2部に落ちた2013~14年シーズンも知る、まさにクラブの歴史とともに歩んだ存在である。彼らこそがクラブの継続性と安定を象徴しているのだった。

 この国際色豊かな平均年齢30歳超のベテラン集団を束ねるのが、戦術にも人心掌握術にも長けた監督のオカン・ブルク(46歳)である。昨年夏にアブドゥラー・アブジュ(元トルコ代表監督)からチームを引き継いだブルクは、アブジュのような実践派とはタイプを異にするが、ときを同じくして獲得したふたりのストライカー、クリベリとバをトップに並べることでチームを成功に導いた。

CLでは初の本戦リーグに

「ほとんどのクラブが1トップを採用するトルコで、ブルクの独創的なシステムは最初からうまくいったわけではなかった」とド・マリアンは回想する。

「デンバ・バの調子がずっと上がらず、トラブゾンスポルを追い抜くために彼は、再開後に多くの修正を加えねばならなかった。そしてそれが実を結んだ」

 次なるバシャクシェヒルのチャレンジは、初の本戦リーグ出場となるCLである。昨季はELでベスト16まで進んだ(FCコペンハーゲンに1対3で敗退)が、CLの壁はELより遥かに高い。パリ・サンジェルマンとマンチェスター・ユナイテッド、RBライプツィヒが入ったグループを勝ち抜くのは至難の業である。厳しい戦いは、アウェーのRBライプツィヒ戦で幕を開ける。そのときチームを支えてきたベテランたちは、どんな成熟したプレーを見せるのだろうか……。

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