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1つ1つ、着実に…三原舞依が1年半ぶりに実戦リンク復帰「すごく、ただいまという感じです」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKiyoshi Sakamoto
posted2020/10/12 17:00
566日ぶりの競技会復帰となった三原。2017年には四大陸選手権を制している
「氷に乗れてうれしいなって思って」
「まずは元の状態に戻すことが目標です」
それもまた、心からの実感だろう。
でも今は、もっと大きな実感がある。
「久しぶりの試合で、氷に乗れてうれしいなって思って」
以前の言葉を思い出す。
「1つ1つ、取り組んできて、私はここまで来られたのかなと思います」
2017年の世界選手権代表入りを果たし、大会を終えてしばらくしてからの言葉だ。
リンクに、他にない彩りを添えるスケーター
ステップアップできた理由としてあげた答えは、それだけとればごくふつうの言葉であっても、三原のそれは違って聞こえた。その歩みに、たしかに裏打ちされていたからだ。
今回の復帰までの過程でも、その真摯な姿勢が大きな力となったはずだ。
1つ1つ、着実に成長していきたいという姿勢を貫き実行してきたから、「楽しんで滑れてよかったです」と言いつつ、さらなる上昇を志す。
「早く元の構成に戻せればと思っています。以前の構成に戻して最後まで滑りきることを絶対条件として、しっかりやっていきたいです」
次戦は10月29日に開幕する西日本選手権。その先にはNHK杯が控える。
「すごくただいま、という感じです」
復帰の喜びをそう表現した三原舞依は、今まで通り、ひたむきに進んでいくだろう。
リンクに、他にない彩りを添えるスケーターが、帰ってきた。
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