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「あっ、ノーリーズン落馬だ!」「え~っ!」競馬実況アナウンサーが語る名ゼリフが生まれる瞬間

posted2020/10/10 11:03

 
「あっ、ノーリーズン落馬だ!」「え~っ!」競馬実況アナウンサーが語る名ゼリフが生まれる瞬間<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

左から関西テレビ1997年入社の岡安譲、62年入社の杉本清、74年入社の馬場鉄志

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Takuya Sugiyama

 杉本清が初めて菊花賞を実況したのは1969年。1着はアカネテンリュウだった。それから半世紀で5頭の三冠馬が淀の舞台で誕生してきた。その偉業を放送席から伝えたのが3人の関西テレビアナウンサーだ。

 ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアンの三冠を実況した杉本清。ディープインパクトの三冠を実況した馬場鉄志。オルフェーヴルの三冠、そして凱旋門賞も実況した岡安譲。

 現在発売中のNumber秋競馬特集ではこの3人が一堂に会し、三冠実況の瞬間を語り合っている。本編には掲載できなかったが、話題は三冠に留まらなかった。

 競馬と並行してプロ野球やマラソンの実況でも活躍した馬場は01年に菊花賞の実況を杉本から引き継いだ。学生時代、杉本の実況をノートに書き起こすほど没頭していた馬場は、今でもあるレースの実況が忘れられないという。

衝撃だった「47秒、かなり速いペースです」

馬場 杉本さんが初めて5大競走を実況した1969年の桜花賞が、僕にとって衝撃でしたし、実況の手法としても画期的でした。逃げ馬のダッシュウエーが前半の半マイル(800m)を通過した時のタイムを言ったんです。「47秒、かなり速いペースです!」って。初めてラップタイムを入れて実況したんですよ。

岡安 今やラップタイム読み上げは完全に定着しましたもんね。

杉本 あれは栗田勝さん(当時騎手)から聞いていた話が思わず口を突いて出たんです。囲み取材で栗田さんは、「桜花賞は前半47秒で行った馬は潰れる」と話をしていた。あ、栗田さんが言っていた時間やと思ってね。それでトウメイがゴール前直線で一旦先頭に立ったんだけど、最後にヒデコトブキという馬が追い込んで、クビ差を制してね。

馬場 「トウメイかヒデコトブキか。わずかにヒデ~!」(杉本節をマネて)って。

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