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Vリーグコーチが異例の大学監督兼任…柳田将洋も影響を受けた酒井大祐の「プロ意識」とは? 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph bySUNTORY SUNBIRDS

posted2020/10/09 11:00

Vリーグコーチが異例の大学監督兼任…柳田将洋も影響を受けた酒井大祐の「プロ意識」とは?<Number Web> photograph by SUNTORY SUNBIRDS

サントリーのコーチを務めながら、今季から古豪・大阪商業大学男子バレー部の監督にも就任した酒井大祐

柳田も影響を受けたプロとしての姿。

 酒井は、JTに入社3年目だった2006年にプロに転向し、そこから12年間プロとして生き抜いた。コート上で自分の仕事をこなすだけでなく、積極的にコミュニケーションをとって人を動かし、周りに影響を与えるプロ選手だった。

 サントリーと日本代表でチームメイトだった柳田将洋が2017年にプロに転向した時、一番影響を受けた選手として名前を挙げたのも酒井だった。

「プロバレーボーラーとしての生き方を見せてもらいました。ああいう人の背中を見てきた身としては、簡単にはプロにはなれないと思ったし、だからこそああいう人みたいになりたいと思いました」と当時、柳田は語っていた。

 チームを俯瞰的に見ながら1人1人をフォローし、プレーの指示も的確に出す。酒井はさながらコート上の監督のようだった。

監督就任に迷いもあったが「未来のためにも」

 植田氏とは、ユニバーシアード代表で指導を受けて以来、親交があった。監督を引き受けるにあたっては、東海大出身の酒井には迷いもあったが、チャレンジしたいという思いが上回った。

「やっぱり外様だから、オレでいいのかな?と、そこは気にしました。でも、2年コーチをしていて、得た知識などをアウトプットする場所はサントリーしかなかったんですが、それを監督として大学でもできるなら、未来のためにも、やるのがいいのかなと。大商大は今低迷していて、ここからは上がっていくしかないので、自分にとっていいチャレンジになるとも思いました」

 海外では、例えば代表監督がクラブチームの監督も務めるなど、2チームを兼任することは珍しくないが、日本ではまれだ。「日本でもそういうことがあってもいいんじゃないかと。そういう未来になればいいなという思いもあって」引き受けた。

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