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西武・高木渉の強烈なアピールポイントとは? 一軍定着へ山川や栗山の姿から学んだもの
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2020/10/01 11:30
9月12日に地元・福岡でプロ初のホームランを放った高木。現在は二軍で調整し、再昇格を目指している
山川にはバットの使い方を、栗山には姿勢を
一軍では周囲の先輩打者の姿にも感化された。
「練習への取り組み方とか、試合に臨む準備の仕方とか、勉強になる部分がすごく多かったです。自分でも取り入れていければいいなと思っています。バッティングに関しては、打者としてのタイプは違うけれど、山川(穂高)さんのバットの使い方や、体重移動の仕方。すごく参考にさせてもらいました。そして、練習ひとつひとつに対しての取り組み方は栗山(巧)さん。何事も自分の感覚を大事に、練習している。自分もそうありたいと思いました」
「自分はそんなにホームランがバンバン打てるタイプじゃないと思っているので、しつこいバッターになりたいですね。なかなか三振しない、粘り強い打者を目指したいです」
変化球への対応を課題としていたが、空振りを減らそうと、今年の7月にはすり足から、脚を上げてタイミングを取る打撃フォームに変更した。「今はこれが合っている」と語る。
1番打者不在のライオンズ、熾烈な争い
現在、ライオンズは1番打者を固定できず、外崎修汰、源田壮亮など様々な選手をトップバッターに据え、試行錯誤を繰り返している。先に一軍で活躍し、現在は故障離脱している鈴木将平を筆頭に、高木はもちろん、西川愛也などにもチャンスは残されている。しかも鈴木、西川ともに高木と同じ左打者で、ライオンズにはほかにも川越誠司、戸川大輔など左の好打者が一軍定着、レギュラーの座をねらって競っている状態だ。
生き残るためには何か強烈なアピールポイントが必要である。
「自分の売りはバッティングになると思います。そこだけはほかの誰にも負けたくない。自分は決して守備がうまいわけではないし、勝負できるところはバッティングだけ。そこで負けたら何も残らない選手だと思う。だからこそ、バッティングだけは負けたくないと常に思っています」(高木)
今は二軍で再昇格の日を待つ。
「試合に出てチャンスをもらえたときにしっかり結果を出すこと。結果がいちばん必要になってくる。とにかく結果にこだわって、必死に野球に取り組みます」
残り試合でどんなアピールを見せてくれるのか、そのプレーに注目したい。