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女子キックは「かわいい」だけではない! 「打倒魔裟斗」時代と同じムーブメントが
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byKoji Fuse
posted2020/09/12 11:30
変わり始めた女子キックボクシング界を牽引する寺山日葵。「求められるものは強さ」と語る。
「かわいい」より求められるものが
紅絹や寺山だけではなく、出場選手は個性派揃い。紅絹と一回戦を争うAyakaは三重県の高校を卒業したばかりの19歳ながら、すでに他団体の日本ピン級王者に君臨している。見た目は幼いが、今年2月のRISEデビュー戦では格上のムエタイ世界王者である伊藤紗弥に生涯初のKO負けを味わわせるほどの強打の持ち主だ。
寺山と初戦を争うerika(登録名ではerikaハートマーク)は沖縄在住で3児を持つシングルマザーのサウスポー。仕事と育児を両立しながらキックの練習に励み、現在5戦全勝(2KO)の快進撃を続けている。
神村の師でRISEの伊藤隆代表は今大会のテーマとして「色モノからの完全な脱却」をあげる。確かに女子キックはいまだ「かわいい」だけを理由に取り上げられる傾向があるが、純粋な格闘技としての女子キックの確立を目指そうというのだ。
最近はビジュアル系として取り上げられる機会も多いが、寺山は頑として「私はそういう路線ではない」と主張する。
「ビジュアルもキャラクターもひとつの武器だけど、キックボクサーなのだから求められるべき本質は強さだと思う」
寺山の言葉を借りるまでもなく、女子キックはもう色モノではなくなりつつある。今大会の優勝賞金は女子キックでは破格ともいえる300万円! 機は熟した。Girls Power2020によって、女子キックのステータスは大きく変わろうとしている。