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中田翔のエグい“打点喰い”っぷり。
週刊セパ好成績&珍記録まとめ。

posted2020/09/01 08:00

 
中田翔のエグい“打点喰い”っぷり。週刊セパ好成績&珍記録まとめ。<Number Web> photograph by Kyodo News

目下、パ本塁打と打点トップを走る中田翔。日本ハムを長年支える主砲が勝負強さを見せている。

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 波乱に満ちた今季のペナントレースも後半戦に入った。しかし今シーズンの日程は11月初めまであり、長丁場は続く。

【今週の“ぴかイチ” 日本ハム 中田翔】

 MLBには「RBIイーター」という言葉がある。RBI(Runs batted in)とは打点だから、日本語に直訳すると「打点喰い」、つまり打点が多い打者のことを示す。

 勝負強い強打者ということだが、ニュアンス的には「それほどすごい成績ではない割には」というイメージが混じっている場合もある。

 近年のMLBでは松井秀喜が代表的な「RBIイーター」だった。松井のシーズン最多本塁打は2004年の31本、あとは20本塁打以上を4回だったが、100打点以上となると4回も記録している。

 セイバーメトリクス的には「打点」は評価されないが、本塁打はさほど打たなくても「打点によく絡む」打者は、チームにとっては頼もしい存在だ。野球を知っている渋い好打者だといえよう。

 当代のNPBで“打点喰い”の代表格と言えば、日本ハムの中田翔だろう。大阪桐蔭高時代から屈指のスラッガーとして知られ、入団4年目の2011年から中軸打者として活躍しているが、本塁打のキャリアハイは2015年の30本、あとは20本塁打以上が昨年まで6回だが、それでいて100打点以上は4回、打点王も2回獲得している。

 中田は打率3割が1回だけ、通算打率を見ても.253にとどまっている。それでも日本ハムでは不動の中軸打者だ。

 その中田翔が、今季は異次元の活躍を見せている。

このペースならシーズン132打点。

<パ・リーグ打点5傑/()は試合数>

1 中田翔(日)68打点(62試合)
2 浅村栄斗(楽)65打点(62試合)
3 山川穂高(西)54打点(59試合)
4 柳田悠岐(ソ)50打点(62試合)
5 井上晴哉(ロ)48打点(62試合)

 セ・リーグの打点1位は巨人、岡本和真の50打点(59試合)。今季のパ・リーグは乱打戦が多く、打点が高い傾向にある。そして大阪桐蔭の後輩、楽天の浅村が先週5打点を挙げて追い上げているが、中田の打点はその中でも特筆すべきものだ。今季は120試合だから、中田は最終的に132打点になる計算だ。

 この数字でも史上13位タイだが、もし今季が昨年同様143試合で、このペースで打ち続ければ157打点になる。

【次ページ】 小鶴誠の161打点は飛ぶボール時代。

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