ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
守護神として好投続くDeNA三嶋。
「ヤスが注目される理由がわかった」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byAsami Enomoto
posted2020/08/29 11:30
抑え抜擢から抜群の安定感を見せる三嶋一輝。約1カ月で8セーブを挙げた。
“三嶋一輝”というイメージを変える。
このように記していくと三嶋のメンタル面ばかりが目立つが、昨シーズンに比べピッチャーとしてのスキルも格段にアップしていることを忘れてはいけない。今季は、持ち前のストレートとスライダーに加え、フォークとカーブが冴え、ピッチングに奥行きができている。三嶋は言う。
「昨年まではフォークもカーブもほとんど使っていない2ピッチだったんです。けど、それじゃ調子が良くないとき、同じようなやられ方をしてしまう。リリーフは速い真っすぐと切れのあるスライダーがあればいいと言われますけど、そこまで自分に圧倒的なスピードやパワーがあるとは思っていなかった」
そこで助言をしてくれたのがラミレス監督だった。
「監督がよく話してくれたのは、投げていない球種を使って“三嶋一輝”というイメージを変えなければいけない、ということでした。そこでキャッチャーに相談しながら、いろんな球種を使って、絞りにくい、嫌なピッチャーになろうって」
大きなカーブと鋭いフォーク。
そこで三嶋は大きなカーブと鋭いフォークを身に付け、打者を幻惑するに至っている。いつもならスライダーで攻めていたところでフォークを投げるなど随所に工夫が見られ、またカウントを取るのか、あるいは空振りを取るのか微細な使い分けもしている。
「今季は投げていてゲッツーが増えたと思うんですけど、あれはほとんどがフォークなんですよ。あと変化があるとすれば、球数が少なくなり四球が減ったこと。そして、しっかり3人で終わらせる。それができているから、今は結果が出ているんだと思いますね」