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ドリブルデザイナー岡部将和が語る
「新しいことに挑戦し続ける理由」 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

PROFILE

photograph byKiichi Matsumoto

posted2020/08/19 11:00

ドリブルデザイナー岡部将和が語る「新しいことに挑戦し続ける理由」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

楽しいと思うことを、逃げずにやる。

 例えばサッカー選手になりたいという夢を持っていると、どうしてもテクニックをあげたい、クラブチームに入りたいだけになっちゃう。

 だけど、そうなると選手になれなかった時に、今までの積み重ねがゼロになってしまったように感じてしまうんですね。でもサッカー選手になった先に何を得たいのかを考えていれば、選手になれなかったとしても、その先に得たいものは他の仕事をしていても叶えられるかもしれないと気付ける。そこから別の夢につながっていきますよね。

 僕もサッカー選手になりたくて、なれなかった人間です。サッカー選手になって得たかったものがいくつもありました。家族に良い思いをさせてあげたい、自分の伝えたいことを発信したい、影響力のある人になりたい……。サッカー選手にはなれなかったけれど、それらは思いを変えずに一生懸命やってきたことで、ドリブルデザイナーという形で得ることができました。

 結局、逃げないことが大切。自分が楽しいと思うことを、自分から逃げずにやるだけです。

失敗しても注意することはありません。

 例えば僕のドリブル理論を本気で求めれば、100人挑戦したら100人全員ができます。

 他人に左右されない状況であり、本当にやりたいと思っていて、自分の努力でなし得るものであれば、僕はこの世に叶えられないものはひとつもないと思っているんです。

 だから指導していても、結果がついてこなかったり、失敗したことに対して、注意することはありません。それよりもやると言ったのにやらなかったり、自分から逃げている人には、たとえ結果が出ていたとしても「なんでやらないの?」と聞きます。

 だって、もし挑戦する過程で自分から逃げたら、どんな結果がついてきても満足できないと思うんです。

(リオネル・)メッシのようにサッカーがうまくても、もしそれ以外の部分で生きていて面白くないと思っていたら、僕はすごいとは思いません。逆に結果が出ていないように見えても、自分がやりたいものに対してしっかりと向き合って幸せに生きている方が価値があるのではないでしょうか。

【次ページ】 1万回やっても抜けないかもしれないけど。

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