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術後の投手・大谷翔平の現在地は?
ダルビッシュ有の言葉で考える。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2020/08/08 11:50
MRI検査で右屈曲回内筋群の損傷と診断されたのち、オンライン会見に笑顔で応じた大谷翔平。今シーズンは今後、打者に専念することになる。
「初めてのトミージョンなので」
彼は慎重に言葉を選んだ。
「1戦目から100%だったわけではない。それが術後の感じなのかどうかも、自分ではわからない。今回MRIを撮って(結果が)出ましたけど、それがいつからなのかわかっていないので」
また、彼はこんな言葉も残した。
「初めてのトミージョンなので、1回2回と経験すれば、どんな感じなのかもわかるし、強い張りなのかなというのもわかるが、そういう感じではない。今回、こういう張りが良いのか悪いのか、というのがわかるのかなと思う」
経験値があることであれば自己分析も可能となるが、トミージョン手術からのリハビリ過程はなにもかもが未知数だ。これまで未開拓の道をひとり歩んできた大谷でも現在地を知ることは難しい。
ダルビッシュ有が大谷に贈った最高の言葉。
そんな折り、15年にトミージョン手術を受けたダルビッシュ有が後輩・大谷に最高の言葉を贈った。
「本当に原因不明というか、自分も2016、2017年に4回くらい、もう絶対にこれ靭帯また切れたって思うくらいの痛みがあった。MRI撮ったら何もなかったんですけど。やっぱり復帰してから1、2年は普通じゃない状態になる。
しかも、大谷くんの場合、シーズンがベストのタイミングで開幕しなかった。すごく調整が難しい中でマイナーで投げることも出来ず、いきなりぶっつけ本番の中だったので、普通のトミージョン手術から復帰した選手たちとは全く違うテーブルにいた。プラス、バッティングもやらなきゃっていうのもあるから、本当に他のトミージョンを受けた選手からは想像もできないような調整をしているっていうふうに僕は思う」
投手・大谷翔平の現在地を知る上でこれ以上の言葉はない。