濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
橋本真也が作ったものを守るため……。
ZERO1“熱いプロレス”で起死回生へ!
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNORIHIRO HASHIMOTO
posted2020/07/27 08:00
大谷晋二郎(写真右)の激しい戦いぶりが胸に迫る……とにかくストレートに熱いプロレスが見られるZERO1。“破壊王イズム”は、どんな観客にも届く魅力に溢れている。
「子供たちに見せたいのは“立ち上がる姿”」
ストーリーやメッセージを分かりやすく届けるのも、プロレスというジャンルの特長だと言っていい。
ZERO1は15年ほど前から、いじめ撲滅のためのチャリティーマッチを開催している。
「子供たちに見せたいのは“立ち上がる姿”なんです。どれだけやられても立ち上がる。立ち向かっていく。大事なのはそのこと。試合だから必ず自分たちが勝てるとは限らない。それでもいいんですよ。負けた試合でも伝えられることはある」
試合に負けた時には、子供たちに向けてこう言うそうだ。
「今日は負けたけどな、次に勝ちゃいいんだよ! 君たちも負けること、悔しい思いをすることはいっぱいあるだろ。そういう時にへこたれんなよ。次に勝てばいいんだ。悔しい思いをしてから勝ったほうが絶対嬉しいぞ!」
“ZERO1の第1試合に外れなし”
ジュニアヘビー級の新鋭・北村彰基は、チャリティー大会がきっかけでZERO1入団を希望するようになったという。
「僕が入る前から、この団体には何度もピンチがあった。それでも立ち上がってきたのがZERO1なんです」と語る北村は、7.5新木場大会のメインイベントで勝利すると、ファンに向かって「ZERO1は僕が守ります」と宣言した。
その大会で第1試合を務めたのが、北村とともに次世代を担う岩崎永遠だ。ヘビー級のリーグ戦『火祭り』で昨年準優勝。今年は優勝を狙う。
「自粛明けの1試合目を任せてもらって気合いが入りました。これから自分がZERO1の看板を背負って、引っ張っていくためにも、ここでいいものを見せなければ、と。
旗揚げ当初から“ZERO1の第1試合に外れなし”と言われてますから。プレッシャーもあったけど楽しむことができたと思います」
岩崎も、ZERO1のプロレスの魅力をこう語っている。
「プロレスの熱さでは、ZERO1はどこにも負けないと思ってます。そういうところを受け継いでいきたいですね。やっぱり大谷さんとは、組んでも闘っても熱さが伝わるんです。ただこれからは若い世代で盛り上げていきたいですね。ZERO1はおじさんが多いので(笑)」