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400mH世界歴代2位ワーホルム。
「時計がゼロから始まる素晴らしさ」 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph byPUMA

posted2020/07/25 08:00

400mH世界歴代2位ワーホルム。「時計がゼロから始まる素晴らしさ」<Number Web> photograph by PUMA

2019年の夏に400mハードル史上3人目となる46秒台を出したワーホルム。

前半は「突っ込んで」、そのあと跳ぶ。

 ワーホルムのレーススタイルは、スタートからトップスピードに乗り、いち早くリードを奪うというもの。いわゆる前半から「突っ込む」スタイルだ。

「400mハードルで勝つために必要なこととして、コーチに日頃から言われているのは、“まずは400mを速く走れるようになれ”ということ。序盤から飛ばしすぎだと言う人もいますが、コーチはそれでもまだ遅すぎると言いますね。それに自分でもこのスタイルは合っていると思っているので。あとは、スピードを落とさずに10台のハードルをいかに跳ぶかということです」

 昨年のダイヤモンドリーグ・チューリッヒ大会の決勝でも、彼のアグレッシブな走りは際立っていた。序盤から大きなストライドで飛び出したワーホルムは、28年前にケビン・ヤングが打ち出した世界記録(46秒78)にはわずかに及ばなかったものの、46秒92をマーク。

 これは世界歴代2位、人類で2人目の46秒台だった。

世界記録を常に意識しているわけではない。

「ヤングが持つ記録は、簡単には破れないということです。今、彼の記録を破る可能性があるアスリートは私を含めて何人かいて、それはスポーツの世界においてはものすごく素晴らしいことだと思っています。私自身、あの大会で初めて47秒の壁を破ることができたので最高の気分でした。

 ただ、結果には非常に満足していますが、どの大会においても、世界記録を破ることにフォーカスしているわけではありません。私が目指しているのは、常に自分の可能性を最大限に引き出せるよう努力するということです」

【次ページ】 効率化と練習を減らすことは違う。

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