武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲BACK NUMBER
久々の本場所で“相撲勘”は?
元武蔵丸「今場所はケガに注意!」。
posted2020/07/20 17:00
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph by
Kyodo News
1月の初場所以来、久しぶりに両国国技館に出勤して、親方の僕にもうれしい“緊張感”があったよ。現役時代の、本場所前の気持ちを思い出したくらいでね。なんだか土俵の砂を目にしてうれしくて……。
今回、2500人上限でお客様が観戦することになった。相撲協会が専門家の意見を参考に、徹底的にウイルス対策をしての7月場所が、この19日、やっと初日を迎えたんだ。
3月の大阪場所は無観客開催、5月の夏場所は中止だった。7月場所は、本来なら名古屋で開催されるんだけれど、今回はリスクを考えて国技館での開催となったのね。
初日を見て、とにかく僕が一番心配だったのは、「どうかケガがないように」とのこと。体をぶつけ合うのが相撲だけど、各自の部屋での稽古でも、「接触する稽古はなるべく避けること」と言われていたんだよね。
やはり「ぶつかり稽古」をしないと……。
僕が師匠として指導している武蔵川部屋でも、大阪場所から帰ってからしばらくは四股やすり足、仕上げの「ぶつかり稽古」でちょっと胸を出すなど、基礎運動を中心にしていたんだ。
やはり、当たって押す「ぶつかり稽古」をしないと、いざという時に息が上がっちゃう。息が切れちゃって、体が付いていかなくなっちゃうものだから。
もちろん、各部屋によっても稽古は違ったと思うけれど、うちの部屋の場合は場所前の1カ月から、ひとりに付き1日5番くらいは実戦の相撲を取らせていたの。場所前になってから、その数をちょっと増やしたりして、「本場所モード」にスイッチを少しずつ変えていったんだ。