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セレクトセール落札総額187億超!
ディープ亡き今、超高額馬の出現は?
posted2020/07/16 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Takuya Sugiyama
競馬産業というのは逆境に強い構造になっているのだろうか。愛らしい仔馬に億単位の値がつけられ、それが見る見る上がっていく様を眺めていると、今、私たちがコロナに苦しめられていることを忘れてしまう。
国内最大の競走馬のセリ市「セレクトセール2020」(日本競走馬協会主催)が、7月13日と14日の2日間にわたって苫小牧のノーザンホースパークで行われた。
今年のセレクトセールは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年より座席の間隔を空けて大幅に座席数を削減。事前登録した購買者と同伴者のみに入場を制限し、当日登録は認めないなどの対策を講じて開催されることがアナウンスされていた。
さらに、昨年7月と8月に相次いで世を去ったディープインパクトとキングカメハメハの産駒が上場されるのは初日の1歳馬セールだけで、2日目の当歳馬セールには出てこないことも、あらかじめわかっていた。
コロナショックに加え、ディープ、キンカメの「ツートップ」の当歳産駒の不在という大きな不安材料を抱えてのスタートだったのだが、蓋を開けてみれば、例年と変わらぬ大変な活況だった。
ディープ&キンカメ産駒のラストチャンス。
初日の1歳馬セールでは、ディープとキンカメの産駒を買えるラストチャンスということがかえって購買意欲を刺激したのか、特にディープ産駒の高額取引馬が続出した。
今週の函館2歳ステークスで有力視されているモンファボリの半弟フォエヴァーダーリングの2019を、1歳馬セール史上最高額となる4億円で(株)ダノックスが落札。
その後、ケンタッキーオークスを制したキャスリンソフィアの半弟シーヴの2019を、「ショウナン」の冠で知られる国本哲秀氏が5億1000万円で競り落とし、1歳馬セール落札額レコードをその日のうちに更新した。国本氏は10億円までは競りつづけるつもりだったという。