登板2試合の昨季は「もどかしかった」。

「'18年にあれだけ（6勝）できましたが、僕の中でもあそこまで結果が出るとは思っていなかった。なので『このチャンスを逃したらダメかな』と思って、変に無理しちゃったところもありました」

　なんとか開幕ローテーションに滑り込むも、シーズンが開幕すると球速はおろか切れもコントロールも本来の出来とは程遠かった。

「もう全然ですよ。本当にもどかしかったです。けれど（井口）監督は使ってくれましたし、その期待に応えたいのもありました。だけど体はどうにもならないところがあって……」

　プロ野球生活で初めて味わった戦線離脱。勝負の年と定めた3年目の登板はたった2試合、0勝2敗。防御率13.50の成績で終わった。

「思っていたよりも精神的に厳しくて」

「これまでも違和感はありましたけど、投げられないとかは全然なくて……。本当にここまでパフォーマンスが落ちたのは今回が初めてでした。痛みがあるときは本当に何をしてもダメでしたし、精神的に『落ちた』というよりも、朝起きて肘が痛いのか、痛くないのか、それを確認する作業が憂鬱でした。起きて『あっ、今日も痛い』みたいな感で……。簡単に治るわけがないんですけど、朝起きたら『今日は痛くないかな』とやっぱり期待するじゃないですか。毎日それの繰り返しでしたね」

　軟骨除去、クリーニング、軟骨再生と一度に3つの手術を行った。

「周りの人からも『ネズミ（関節内遊離体）のクリーニング手術だけだったら（復帰まで）3カ月くらいじゃん』とか言われたんです。だけど、自分の中では思っていたよりも精神的に厳しくて……。僕も当初は『8月くらいで復帰できるかな』と考えていたんですよ」

　ようやくピッチングを始めたのが昨年8月後半。打者を相手に投げ始めるにはそこから2週間以上かかった。

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