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プロクライマー・杉本怜、29歳。
「今のボクにできることを考えた」
text by
津金壱郎Ichiro Tsugane
photograph byYuki Suenaga
posted2020/07/27 11:00
8月のリードジャパンカップに照準を。
新型コロナ禍で延期になっていたスポーツクライミングの国内大会は、岩手県盛岡で8月9日~11日に開催される『第33回リードジャパンカップ(以下LJC)』から再開される。
国際大会の再開も決まり、W杯は新型コロナウイルス感染防止に配慮したガイドラインやルールのなかで行われる。予定される日程は文末に記した。
緊急事態宣言が明けてからトレーニングを再開した杉本は、大好きなアルコールを封印し、まずは8月のLJCに照準を合わせている。
「活動に制限はあるでしょうが楽しみです。競技が再開されたら、やっぱり大会でのパフォーマンスを見てもらいたい。僕にとってはそれこそが一番こだわってきた舞台ですから」
冒頭に記したのは、バラク・オバマ前大統領夫人のミッシェル・オバマの言葉だが、『大統領』の部分をさまざまな肩書きや職業、状況に言い換えても真理を映し出すのではないか。
プロクライマーだから、新型コロナ禍だから、杉本の本質が変わったわけではない。より鮮明に杉本の本質を浮き彫りにしたに過ぎないと見て取れる。
「あれこれやっては放置することもありますが、高校生の頃からいろいろ手を出して忙しくしている時の方が、不思議とクライミングの調子はいいんですよね」
そう語る杉本が、リスタートするスポーツクライミングで歓びを抑えきれずに雄叫ぶ姿を見せてくれるはずだ。
8月21・22日 フランス・ブリアンソン(リード種目)
9月11~13日 アメリカ・ソルトレイクシティ(ボルダリング種目・スピード種目)
10月7~11日 韓国・ソウル(ボルダリング種目・スピード種目・リード種目)