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12通りのスタメンで鷹は準備万端!
柳田悠岐、バレンティンが魅せる。
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2020/06/19 11:40

バレンティン(左)と話す柳田悠岐。この2人が今年のソフトバンクを引っ張っていくことだろう。
あっと驚く新打順が。
11日の試合では8回にその両選手が豪快すぎる2者連続アーチを放った。3番の柳田がバックスクリーンへ放り込めば、4番のバレンティンは左翼席中段への特大ホームランで続いた。工藤監督も試合直後の取材では「やっぱり2人の飛距離はダントツ。自分が現役時代に見てきた選手たちよりもすごい」と感嘆の声を上げていた。
ただ、その中で気になることも話していた。
「打線なので、つながりというのは大事にしていきたい。打順は違うところも試したいと思っています。明日、どうなるか分からないけど、色々とバリエーションがあった方がいいかなと思っていますので」
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かくして迎えた12日の広島戦で、あっと驚く新打順がお披露目されたのだ。
「2番最強打者論」が加速?
2番・柳田、そして3番・バレンティン。
かねてから工藤監督は、柳田を3番打者ではなくもっと前で起用するプランを胸に温めていた。時折、その考えを口にすることがあったが、その時に話していたのは「1番・柳田」の構想だった。
だが、柳田自身は1番打者をあまり好んでいなかった。
「だって守備から戻って慌てて打席に向かわんといけん。でも、4番は初回に回ってくるか分からない。だから3番がベスト。もしくは2番ですかね」
また、柳田とバレンティンが続けて打席に立つ相乗効果の大きさも考慮したのではなかろうか。「ピッチャーとしても続けて打たれるとショックが大きい」と投手出身監督らしく、指揮官は分析をしていた。
ところで、今シーズンのトレンドなのか、2番に強打者を置く采配はホークスに限らない。スワローズは山田哲人、バファローズは新外国人のアデルリン・ロドリゲス、ドラゴンズは平田良介らがこの練習試合期間中に2番を打った。
近年の野球界では「2番最強打者論」が唱えられ、昨シーズンからすでに実践していたチームもあったが、さらに加速していくのかもしれない。