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習近平が熱望、中国W杯出場の秘策。
帰化急増をブラジル出身選手に聞く。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2020/06/17 19:00

習近平が熱望、中国W杯出場の秘策。帰化急増をブラジル出身選手に聞く。<Number Web> photograph by Getty Images

ACLでJリーグ勢も対戦してきたリカルド・グラール。彼がもし中国代表に加われば、厄介な難敵となる。

ブラジル出身の候補はもう2人いる。

 ブラジル出身で中国国籍を取得し、代表入りを狙っている選手はもう2人いる。

 FWアラン・カルヴァーリョ(29、中国名は阿蘭)は屈強でパワーがあり、得点能力が高い。

 2007年、17歳で中堅クラブのロンドリーナからデビューし、名門フルミネンセで活躍。2010年から'15年までレッドブル・ザルツブルクで活躍した後、2015年1月に移籍金1110万ユーロ(約13億4000万円)で広州恒大へ移った。昨年は天津天海へ、今年は北京国安へ期限付き移籍している。U-17、U-19ブラジル代表に招集されたが、公式戦には出場していない。

 攻撃的MFのフェルナンジーニョ(中国名は費南多)は27歳と若い。小柄だがテクニックがあり、視野が広く、攻撃の組み立てを担う。

 2012年、19歳でリオの名門フラメンゴでデビューし、エストリウ・プライア(ポルトガル)などを経て2015年、重慶斯威へ。2019年に広州恒大へ移ったが、すぐに河北華夏幸福へ期限付き移籍している。

中国にルーツに持つ選手たちも。

 さらにブラジル以外の国の出身者でも、中国にルーツを持つということで中国国籍を持つ選手が3人いる。

 MFジョン・ホー・サエテール(22。中国名は侯永永)はノルウェー生まれで、母親が中国人。強豪ローゼンボリの下部組織出身で、U-16、17、18ノルウェー代表に選ばれると、スターべクを経て、2019年に北京国安へ移籍した。

 リバプール出身のCBティアス・ブラウニング(26、中国名は蒋光太)は、母方の祖父が中国人。エバートンの下部組織で育ち、U-17、19、21イングランド代表に招集された。サンダーランド(イングランド3部)を経て、2019年から広州恒大でプレーしている。

 ペルー出身のFWロベルト・シウーチョ(23。中国名は蕭涛涛)は、祖父が中国人。ペルーの強豪ウニベルシタリオで111試合に出場して8得点の成績を残した。昨年1月、広州恒大へ移籍したが、すぐに上海申キンへ期限付き移籍している。

 つまり、現時点で中国国籍を保有する外国出身選手が9人おり、うち3人はすでに代表入り。残る6人もいつ代表に招集されてもおかしくない。

 それでは、なぜ彼らは中国国籍を取得して代表入りを目指すのか。

【次ページ】 W杯は習近平にとっての国家事業?

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